こんにちは。
拙作ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、
言葉のお話です。
といっても、あくまでも私見ですので、
そのへんはご了承ください。
今回のテーマは、
「ホスピス・ボランティア」です。
余命短い患者のそばに寄り添い、
その患者の話し相手(聞き役)になるのです。
というと、
誰でも、「ホスピス・ボランティア」
になれそうですが、
実際はそうではありません。
というのは、
ホスピス・ボランティアは、
相手(患者さん)との信頼関係が必要だからです。
つまり、
患者さんから信頼されなければならないのです。
それは当然です。
相手(患者さん)はいつ死ぬか分からないのです。
死と向きあっているのです。
その心の不安は想像を絶します。
だから、
心が開ける相手でないと本音を出しません。
本音を出せなければ、
「心の安らぎ」なんてありません。
ここが、
ホスピス・ボランティアの難しいところです。
ホスピス・ボランティアは、
誰もがなれるものではありません。
ゆえに、
ホスピス・ボランティアはこう呼ばれています。
究極の聞き上手
その究極の聞き上手、
ホスピス・ボランティアについて見ていきましょう。
1.本日の言葉
「聞き上手」
2.意味
「聞き上手」とは、その名のとおり、
『人の話を上手に聞くことが出きること』
です。
3.聞き上手のメリット
聞き上手は、
下記のような利点(メリット)があります。
3-1.人間関係がよくなる
相手の話をよく聞くと、
相手との距離が縮まります。
親近感を覚えてくるのですね。
そうすると、
以下のような好循環が発生します。
会話がはずむ ⇒ 親近感がわく
⇒ さらに会話がはずむ
ますます人間関係がよくなります。
3-2.有益な情報が得られることも
そうなんですよね。
自分がぺちゃぺちゃ話すより、
相手の話を聞いていた方が、
いろいろな情報が得やすい。
その情報のなかに有益な情報があるかもしれません。
聞き上手は、
「情報通」なのです。
3-3.ハッピーになれる
お互いにハッピーになれます。
これは下記のような流れによるものです。
相手の気持ちがほぐれる
↓
ストレスが解消される
↓
自分の気持ちが楽になる
これも聞き上手が好循環する好例ですね。
4.ホスピス・ボランティア
聞き上手のお手本というべき、
ホスピス・ボランティアについて紹介します。
4-1.ホスピス・ボランティアとは?
ホスピス・ボランティアとは、
下記を行う人です。
もちろん、
ボランティアですので無償活動です。
①ホスピス患者のお世話をする。
②身の周りのお世話や話し相手です。
③相手は、ホスピス患者だけでなく、
その家族も含まれます。
そのなかで、
もっとも大事なのが話し相手です。
ホスピス患者の話を聴くこと。
※「聞く」を「聴く」としたのは、
耳を傾けるという意味を込めました。
私は、
ホスピス・ボランティアこそが、
聞き上手の典型(お手本)と思っています。
4-2.望ましいホスピス・ボランティアとは?
望ましいホスピス・ボランティアとは下記です。
◇良い聴き手であり、
話したくないときでも、
黙ってそばにいてくれる人。
◇ともに笑ったり、泣いたりしてくれる人。
◇秘密を守り、信頼できる人。
◇偏見を持たず、寛大な人。
◇自分の限界をわきまえて、
生き生きと生活を楽しんでいる人。
4-3.ホスピス・ボランティアで得るもの
ボランティアとは、
無償で他人のために働くわけですので、
得るものはありません。
大学生がボランティア活動をすると、
授業の評価があがるとかいわれていますが、
それこそ本末転倒です。
ホスピス・ボランティアも無償行為ですので、
得るものはありません。
ですが、
ホスピス・ボランティアの経験者は、
口を揃えてこう語っています。
①死にゆく人を鏡にできる。
②その鏡から自分自身を見つめ直す。
③人間の原点に立ち返ることができる。
それは、
得るものとかいうのではなく、
先ゆく人からの授かり物
だと思います。
かけがえのない授かり物です。
5.聞き上手の7つのコツ
では、
どのようにしたら聞き上手になれるのかを考えてみます。
聞き上手のコツは以下の7項目です。
①自分を固執しない。
②相手に過剰反応しない。
③自分の感情を抑える。
④否定や反論をしない。
⑤人の話を最後まで聞く。
⑥自分の意見を言わない。
⑦相手の真意を察する。
では、
一つずつ見ていきましょう。
5-1.自分を固執しない
自我を張ってはいけません。
「自分が」、「自分が」と思っていると、
相手に耳を貸すことができなくなってしまいます。
相手の言うことを聞く余裕がなくなってしまいます。
ここは、
自分の主張をおさえて、
相手の言うことに集中しましょう。
5-2.相手に過剰反応しない
ここでいう過剰とは悪い意味です。
「かっかする」ことを指しています。
敏感に反応する(相手の真意を察する)ことは、
良いことですので、
このような過剰反応は積極的にやりましょう。
悪い意味の過剰反応は、
自分の冷静さをなくしますので、
要注意です。
5-3.自分の感情を抑える
これも前項に似ていますが、
感情はできるだけ抑えてください。
終始冷静さを保ちましょう。
感情的になると、
聞き取り能力が薄れます。
適切な判断もできなくなります。
そうなると、
誤解が感情をヒートアップし、
そのヒートアップが誤解を助長する、
といった悪循環に陥ります。
常に冷静に、です。
5-4.否定や反論をしない
会話の途中で、
相手の話を否定しないようにしましょう。
反論もダメです。
否定や反論は、
相手の言葉を中断させてしまいます。
相手の言いたいことが中途半端になり、
真意が分からなくなるのです。
こうなったら会話になりません。
言いっぱなし、聞きっぱなし
です。
5-5.人の話を最後まで聞く
これも前項と同じです。
話は最後まで聞きましょう。
まちがっても話の腰を折らないでください。
5-6.自分の意見を言わない
これは、
前述の「否定しない」、
「反論しない」と類似しています。
自分の意見を言うことは悪くはないのですが、
自分の意見で相手の考えが
変わることがあるので、
注意した方がよいでしょうね。
とくに、
相手の考えがまとまっていないときに、
自分の意見をいうと、結論を誘導してしまい、
結果的に、相手の言いたいことが何だったのかが、
分からずじまいにになります。
5-7.相手の真意を察する
つまるところ、
聞き上手のポイントはここですね。
相手の「真意」を把握することです。
言葉の表面(言葉づら)ではなく、
その言葉の「ウラ」を知るのです。
これができる人が本当の聞き上手です。
6.まとめ
どうでしたか。
聞き上手の手本として、
ホスピス・ボランティアの例をあげました。
ホスピス・ボランティアは究極の聞き上手です。
相手が死と向きあっているときです。
他人が入り込む余地はありません。
神聖な領域です。
だから、聞き手は、
①相手の気持ちになって聞きます。
②それでも、理解できないことがあるでしょう。
③でも、そこには、
理解しようとする真剣さがあります。
④その真剣さが、相手に伝わるのです。
そうなんです、聞き上手とは、
相手の心を理解すること。
相手の心を理解しようとする。
その気持ちさえあれば、
上述の「コツ」なんかいりません。
つまるところ、
聞く人の人間性です。
人間が出来ていれば心は伝わります。
だから、
人間を磨かなければならないのです。
しかし、
それがむずかしいのです。
よのなか、
技術よりむずかしいものがあるのです。
それは人を磨くことです。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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※更新履歴※
【更新】2019年10月13日、12月21日、28日、2020年5月7日、9月19日、2021年6月14日
少しだけ校正させていただきました。
【更新】2019年8月17日
CMリンク追加ほか。
【更新】2019年8月17日
「目次」を追加しました。
これで少しは読みやすくなったと思います。
※CMリンク※
聴いて癒す〜アメリカホスピスの現場で学んだ傾聴とは〜
死にゆく過程を生きる―終末期がん患者の経験の社会学
「かあさんの家」のつくり方 -ひとり暮らしから、とも暮しへ- (ホームホスピス「かあさんの家」のつくり方《1》)
わたしの緩和ケア あるホスピス医の自例報告 第3巻
暮らしの中で逝く -その〈理念〉について- (ホームホスピス「かあさんの家」のつくり方《2》)
ラスト・ソング (一般書)
医療ボランティアをめざす人に今伝えたいこと:コミュニケーションと笑顔の底力を知る (MINERVA 21世紀福祉ライブラリー)
現代の風景 3・11前後の日本社会 (上)
いさぎよく生きる: 仏教的シンプルライフ
病院で死ぬのはもったいない: 〈いのち〉を受けとめる新しい町へ
緩和ケアとコミュニケーション―患者、家族とボランティア
コミュニティケア (80号)
メイク ア ウィッシュ―病気と闘う君の夢かなえます
エレガントな終活~50歳から、もっと幸せになる~
ある日突然オタクの夫が亡くなったら? 身近な人が亡くなった時にやるべきこと、起こること (中経☆コミックス)
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