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こんにちは、拙作ブログのご紹介です。このブログは河原健次がお届けしています。大分市出身、木更津市在住です。すでに半世紀以上も生存しています。その長い歴史から、日常生活や人生に参考になりそうな情報を提供しています。読者のみなさんに役立つことを願っています。

山崎銀次郎、中学生の主人公が私に教えてくれたもの

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こんにちは、

拙作ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

今回は、漫画のお話です。

 

タイトル : 硬派銀次郎

作者 : 本宮ひろ志

出版時期 : 1976年~1979年

 

私が読んだのは単行本です。(全9巻)

 

冒頭の写真は、

そのうちの「第1巻」です。

 

ちょっと(いえ、かなり)古い漫画ですので、

ご存じのかたは少ないと思います。

 

主人公の名を、

山崎銀次郎

といいます。

 

まだ中学生ですが、

両親を交通事故でなくし、

一人で暮らしています。

 

しかし、

じめじめしたところがありません。

 

一方で、

ケンカは強いし、

運動神経も抜群です。

 

しかも、

そのことを全然自慢しません。

 

それどころか、

困っている人がいたら、

体をはって助けるのです。

 

時は「昭和」

 

人情厚い少年・山崎銀次郎の

生き様が実にかっこいいのです。

 

その山崎銀次郎を紹介したいと思います。

 

 

 

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1.概要

 

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硬派銀次郎 第1巻

東京・下町の天茶中学に通学する、
天涯孤独の一人の男をを描いた作品です。

 

その名を、
山崎銀次郎(やまざき ぎんじろう)といいます。

 

あだ名は「銀ちゃん」、または「チビ銀」。


背が142cmと極端に低いからです。

 

頭はよくないが運動神経は抜群です。

 

なにより、

正義感に燃えて、

ケンカがめっぽう強い。

 

まさに、

正義の味方を地でいっています。

 

2.生い立ち

新潟県直江津市(現在の上越市北部)出身。

 

大工であった父、母(みつ子)、兄(トラック運転手)がいたが、

相次いで交通事故で亡くなり天涯孤独となる。


嬰児のときに、

遊園地で見ず知らずの男によって、

額に傷をつけられました。

 

この額の傷が、

銀次郎のトレードマークとなりました。

 

3.正義感の強い性格

山崎銀次郎はケンカが強く、その性格は、

強きをくじき、

弱きを助ける、

正義感の強い

ものです。

 

4.この漫画に励まされた

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この漫画には随分と励まされました。

 

4-1.私が40歳前後のころ

この漫画に出会ったのは、

40歳前後のサラリーマンのときでした。

 

そのころ私は中間管理職でした。

 

しかし、

今ひとつ気分が乗りませんでした。

 

そんなときに、

「銀ちゃん」(山崎銀次郎)と出会ったのです。

 

その銀ちゃんの漫画を読んだとき、

胸が「すかーっ」としたのを覚えています。

 

なんでしょうか?


主人公の生き方に共鳴したからでしょうか?

 

その主人公の生き方とは、
作者である本宮ひろ志先生のメッセージでもあります。

 

4-2.時代は昭和

そうなんです。

 

まさに昭和らしい、

すかっとした漫画でした。

 

この漫画のキーワードを並べると以下になります。

 

①すべてがストレート。

筋道(ストーリー)からセリフまで、

全部が分かりやすいのです。


「えっ、こんなことがあるの?」


と、

突っ込みたくなるようなことろはありますが、

そういう突っ込みを超えたところで、

この漫画は展開していきます。

 

よって、この漫画は、

突っ込み屋にはおすすめできません。

 

理屈をこねる人には向きません。

 

②男らしい。

とにかく男らしいのです。


ストーリーから山崎銀次郎の生き方までが・・。

 

まさに、

「男が男に惚れる」といった感じです。

 

③嫌(いや)みがない。

そうなんです。


まったく嫌みがありません。

 

「お涙ちょうだい」でもありません。

 

偽善でもありません。

 

山崎銀次郎と周辺の仲間たち

(それとバンビー・・犬)が、

めちゃ、やさしいのです。

 

素直なのです。

 

④芯がある。

それでいて芯があります。

 

仲間を助ける。

 

貧乏には負けない。

 

一人でも生きていく。

 

山崎銀次郎は中学生ながらも、

もう立派な大人です。

 

⑤涙っぽくない。

一方で、全然涙っぽくないのです。

 

湿っぽくないのです。

 

これは、

山崎銀次郎の性格なんでしょう。

 

⑥明るい。

そうなんです。

山崎銀次郎がめっぽう明るいのです。

 

両親を失って天涯孤独

なのですが、

そんなところを見せません。

 

えっ?

それが漫画だって?

 

分かってますよ。

 
それ(漫画だということ)を

忘れさせるものが、

この漫画にはあるのです。

 

それは、山崎銀次郎の

強い個性なんでしょう

 

⑦前向き。

性格が明るいだけでなく、

生き方が前向きなのです。

 

というと、

打算的に思えるかもしれませんが、

山崎銀次郎の頭の中には、

そんなものは、

これっぽちもありません。

 

ただ、その瞬間を自分の信じるように生きていく。

 

その生き方が、

他人には「前向き」に見えるのでしょう。

 

私には、

まぶしいくらいに、

うらやましく見えました。

 

と、ここまで並べると、

胸が「すかーっ」とした理由が、

お分かりになったでしょう。

 

では早速、

漫画「硬派銀次郎」を見ていきましょう。

  

5.硬派銀次郎との出会い

私がこの漫画「硬派銀次郎」と出会ったのは、
私が40歳前後のときでした。(前述)

 

5-1.散髪屋で

そうなんです。

出会いは散髪屋さんです。

 

散髪屋で順番待ちをしているあいだに、

書棚の本をあさっていました。

 

そのときに目にとまったのが、

「硬派銀次郎」でした。

 

散髪屋の主人も、
この漫画が好きだったのでしょう。

 

5-2.いきなり、はまった

その散髪屋で読んでいるうちに、

この漫画にはまりました。

 

読んでいる途中で散髪の番が来たので、

漫画は途中までになりました。

 

そこで散髪屋の主人に言いました。

 

「この漫画気に入ったので、
お借りしたいのですが」

 

すると主人は。

「ああいいですよ」

といって、

まずは1巻だけお借りしました。

 

5-3.結局全巻も

その後、

全巻読みたくなって、

散髪でもないのに

散髪屋さんにいって、

結局全巻借りました。

 

5-4.中古本を買う

その後、
自分でも持っておきたいという欲求にかられ、

古本屋を探しました。

 

◆続編の「山崎銀次郎」も買う。

その古本屋で、
硬派銀次郎と、
続編の山崎銀次郎も買いました。

しかし、

その両方とも処分してしまいました。
(部屋が手狭になったからです)

 

しかしその後、

また中古本を買いました。
(どうしてもまた欲しくなったからです)

 

6.印象に残ったシーン

硬派銀次郎で印象に残ったシーンを紹介しておきます。

 

あれから30年ですので、

記憶が途切れているところがあります。

 

もし事実と異なるようであればお許しください。

 

①海の家でのアルバイト。 第3巻

 

ここでは、
「真の男とはどういうものか」

をまなびました。

 

「男というのは、
普段は目立たなくていい。

しかし、
いざというときには全力で闘うのだ」

 

今でも残っている言葉です。

 

②陸上大会で全種目出場。 (何巻かは不明です)

山崎銀次郎が中学の陸上大会に出ました。

 

ところが、

仲間の選手みんなが食中毒にかかったのです。


その食中毒が相手校の仕業と知った山崎銀次郎は、

一人で全種目にエントリーするのです。

 

この巻では以下の言葉を教えられました。

 

いざというときは全力

 

 

 

③テニスの試合に代理出場。  第7巻、 第8巻

山崎銀次郎が男女ペアのテニスの試合に出ます。


正式なペアを組んでいた男の子がケガをしたからです。

 

初めてのテニスです。

 

これが圧巻なのです。

 

山崎銀次郎は試合前からケガをしていました。

 

そのケガを誰にも言わずに出場したのです。

 

試合後、

山崎銀次郎は肩の治療で医務室へ。

 

そのときに医務室の医者が言いました。

 

「えっ、
これで本当にテニスの試合をしたの?」

 

「こんな体ではテニスなんかできっこない」

 

銀ちゃんは、一切の言い訳をしません。

 

やるといったら、

最後まで命がけで戦うのです。

 

教えられることの多いシーンです。

 

では、

そのおすすめシーンを、

個別に見ていきましょう。

 

7.豪華な海の別荘で

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硬派銀次郎 第3巻

 山崎銀次郎は、海の豪華な別荘でアルバイトをしていました。

 

持ち主は大会社の社長です。

 

その別荘に社長の娘が来ました。

 

その娘は山崎銀次郎を見た途端、

頬に「びんたん」を浴びせます。

 

「主人が来たのに挨拶もしないの?!」

 

7-1.海水浴でチンピラに

娘は男友達と海水浴に行きます。

山崎銀次郎は荷物持ちです。

 

途中で、

チンピラどもにからまれます。

 

しかし、
男友達は恐くてなにもできません。

 

7-2.サメとの闘い

翌日、

今度はモーターボートで沖に出ました。

 

山崎銀次郎も一緒です。

 

このとき、

娘はサメに襲われます。

 

その娘を助けたのが山崎銀次郎でした。

 

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ボートから落ちてサメに襲われる娘を助けに

海に落ちた娘をサメから助けるため、

山崎銀次郎はひとりで海に飛び込みます。

 

自分がサメの「おとり」になります。

 

そのすきに娘をボートに。

 

あとは、

山崎銀次郎とサメとの一騎打ち

です。

 

サメと格闘のすえに、

サメをやっつけるのです。

 

サメと闘って勝ったのは、

山崎銀次郎ぐらいでしょう。

 

7-3.帰り際に

アルバイトが終わって、

海の家を出て行く日です。

 

別荘のお嬢さんが言います。

 

「あっ、あのー」

 

「かっ、買い物にいくから」

 

「とっ、途中までおくっていくわ」

 

サメの件で、
山崎銀次郎のことを少し見直したようです。

 

ところが、
また例のチンピラがからんできたのです。

 

とそのとき、
山崎銀次郎の鉄拳が飛び出しました。

 

チンピラどもは歯が立たず、

一目散に逃げて行きました。

 

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別れ際にひとこと 「男をなめるんじゃねえ」

ここで、山崎銀次郎が言ったのです。

 

「あんたの周りにいる男・・」


「あんなのは、

男のうちにはいる連中じゃあねえ」

 

「いいかっ」 

 

「男をあんまり
なめるんじゃねえぞっ」

  

と言って去って行きました。

 

銀ちゃんの後ろ姿を見ている娘は、

何かに気づかされたようです。


そしてじっと、

山崎銀次郎の後ろ姿をずっと見ていました。

 

8.陸上大会で全種目出場

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8-1.食中毒に

山崎銀次郎は陸上部の仲間と大会に出ることになりました。

 

ところが、

相手校が仕掛けた策で全員が食中毒に

 

しかし、同じものを食べながら、


山崎銀次郎だけが大丈夫だったようです。

 

食中毒の原因が、

相手校の仕業だと知ると、

山崎銀次郎は怒り心頭で、

自分一人で全種目に出ると・・。

 

8-2.朝メシまえ

最初の種目の1,500メートルを楽々一位でゴールイン。

 

「お腹すいた」

 

と、周りを驚かします。

 

銀次郎にとってはこんなことは、

本当に「朝メシ前」だったのです。

 

8-3.砲丸投げで肩を壊す

山崎銀次郎にとって、

砲丸投げは初めてです。

 

投げ方も知りません。

 

でも本人は必死です。

 

なんとか仲間の分を取り戻すんだと、

無理をしてしまいます。

 

なんと、

砲丸を普通の投げ方で投げたのです。

 

投げる瞬間、

肩から「ボキッ」と音がしました。

 

骨折です。

 

ここまでしても、

仲間を助けたかったのです。

 

8-4.次は1,500メートル障害物競走

その壊した肩でいぞんだのが、

1,500メートル障害物競走です。

 

ここでもライバル校の抵抗にあいます。

 

壊した肩を狙ってきたのです。

 

でも、

抵抗されればされるほど、

燃えてくるのが山崎銀次郎です。

 

 

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トラック半周ほど遅れていたであろうか。

 

その差を一気に抜き返したのです。

 

8-5.最後は1万メートル走

1,500メートルの次は1万メートル走です。

 

最後の競技です。

食中毒をしかけた、

ライバル校の主将が出る種目です。

 

ここで、
少し銀ちゃんが出場した種目を振り返ってみましょう。

 

①1,500メートル走

やり投

砲丸投げ

走り幅跳び

⑤1,500メートル障害

 

全種目です。

 

この全種目に出場したのです。

 

その最後がこの1万メートルなのです。

 

銀ちゃんは最後のエネルギーを絞り出します。

 

8-6.相手は汚い手を使った強豪校の主将

その1万メートルの相手は、

銀ちゃんたちを食中毒させた学校の主将です。


勝つためには手段を選ばない相手です。

 

それを知った銀ちゃんは絶対に許しません。


そういう相手をほっておくわけにはいかないのです。

 

銀ちゃんは、

直前に行われた1,500m障害物競走で、

スタミナは使い果たしているはずです。

 

しかし、

卑怯な相手をほっておくわけにはいきません。

 

銀ちゃんの、

「正義感」に火がつきました。

 

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最後のエネルギーを絞り出す

 

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銀ちゃん、ラストスパートだ

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あっという間に抜き去る

 

8-7.ゴールして燃え尽きる

そして、ぶちぎりでゴールインです。

 

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ゴールインしたままトラックに倒れる

しかし、ゴールしたときは、

スタミナを使い果たしていました。

 

少しもスタミナは残っていません。

 

そのまま、

山崎銀次郎は倒れてしまいました。

 

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そのまま意識を失う

 そのまま、

意識を失ってしまったのです。

 

正確には、
「こん睡」状態になってしまいました。

 

それから丸2日ほど眠ったでしょうか。

 

そして、やっと目が覚めました。

 

ベッドから起きだした銀ちゃんは、

なんと病院の屋上にいたのです。

 

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やっと目を覚ました銀ちゃんは病院の屋上に


「ケロっ」としていました。

 

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「みんな、おはよう」

「よく眠ったなあ」

 

「みんな、おはよう」

 

??

 

みんなびっくりです。

 

な、なんなんだ!?


この強靱な体力は?
 

みんな、あっけにとられていました。

 

その表情がいいのです。

 

眠りから覚めたときの子供のような表情。

 

一方で相手と闘うときの必死な表情。

 

この表情の対比が、

両極端で読む人を虜(とりこ)にします。

 

まさに、

「幼子」と「大人」が同居しているのです。

 

そこが、

山崎銀次郎の魅力

なのです。

 

9.テニスの試合に代理出場

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硬派銀次郎 第7巻

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硬派銀次郎 第8巻

 

9-1.テニスは初めて

実は、山崎銀次郎はテニスは初めてです。


男女でペアを組んでいた男の子がケガで、

出場できなくなったので、

その代理として、

山崎銀次郎が出るようになったのです。

 

9-2.大会の前夜に地震

ペアを組む女の子との信頼関係が大事だと、

前の晩に山崎銀次郎の家で寝ます。

 

その夜に地震に襲われました。

 

天井が落ちてきそうになり、

山崎銀次郎は、
とっさに近くにあったちゃぶ台を女の子の上に。

 

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自ら体をはって寝ている女の子を地震から守る

女の子が天井の下敷きにならないように守ったのです。

 

実はこのとき、
山崎銀次郎は肩に負傷を負っていました。

 

夜が明けて、

何も知らない女の子が目を覚まします。

(それまで銀ちゃんは、
寝ている女の子を地震から守っていたのです)

 

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女の子が目を覚ます 夕べの地震にも気がつかずぐっすり眠ったようです

そのとき、山崎銀次郎は女の子にこう言います。

 

「よく、眠れたかい」 

 

山崎銀次郎は、

まだちゃぶ台は持ったままです。


夜中の間、

一睡もしていなかったのです。


それでも、

平気な顔をして「よく眠れたかい」と。

 

自分は夕べは一睡もしていなかったとか、

女の子を守っていたとか、

肩にケガを負ったとか、

 

そんなことは、
ひと言もしゃべりません。

 

ただ、女の子を気遣っているだけです。

 

自分のことなんかどうでもいいのです。

 

カッコいい!

 

9-3.ボールの打ち方をすぐにマスター

山崎銀次郎はテニスが初めてなのは前述のとおりです。

 

相手のボールを打ち返しても、

ボールが回転しているためうまく返せません。

 

でも、

すぐにボールの回転をマスターします。

 

今度は山崎銀次郎がボールに回転を加えます。

 

トップスピン。

 

バックスピン。

 

9-4.決勝戦で優勝候補を破る

ついに決勝戦まで来ました。

 

相手は優勝候補です。

 

しかし、

山崎銀次郎ペアは負けてはいません。

 

山崎銀次郎は難しいボールをリターンしました。

 

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銀ちゃんの強烈なリターン

そのとき、

あせった相手の男子選手が足を捻挫をしました。

 

その後は、

山崎銀次郎チームの独壇場です。

 

勝負が決まったと思ったときに、

相手男子選手からクレームがあがりました。

 

「これはアクシデントだ」

 

「再試合だ」

 

でも、

そのクレームは認められませんでした。

 

山崎銀次郎ペアの優勝です。

 

9-5.医務室で

試合後、

山崎銀次郎は肩に違和感を覚えて医務室へ。

 

そのとなりでは、

負けた男子選手が足の捻挫の治療を受けていました。

 

そこからは、

山崎銀次郎を診察していた医者の声が聞こえてきました。

 

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隣の医務室で銀ちゃんの容体を聞く

 

(医者)
「えっ?!これでテニスの試合をしたの?」

 

「こんな体じゃテニスなんかできっこない」

 

 

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「肩にヒビがはいっていたんだと?」

この話を隣で聞いていた相手選手は、

肩をがっくりと落としました。

 

負傷していても、

何も言わなかった山崎銀次郎。

 

それにくらべて、

 

「これはアクシデントだ」

「再試合だ」

 

と言った自分が恥ずかしい。

 

そうなんです。

 

山崎銀次郎は、


一切の言い訳はしないのです。

 

人のせいにしないのです。

 

そこが素晴らしいのです。

 

10.海の家でアルバイト

 次に、

ちょっと考えさせられる話を紹介します。

 

「本当の強さ」

 

これをテーマにした話です。

 

ここでも山崎銀次郎の怒りが炸裂します。

 

10-1.幼い兄妹からのスカウト

 山崎銀次郎が夏休みにアルバイトに行く途中で、

海辺で小さな兄妹に声をかけられます。

 

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「おいおまえ、ケンカ強いか?」

「ケンカ強けりゃ、やといてえんだけどよ」

 

そこで山崎銀次郎が答えます。

 

「あいにくだな」

「ここには仕事で来たんだ」

「今さら雇うと言われても困るんだよ」

「悪いな、ケンカも強くないんだよ」

 

10-2.海の家でアルバイトをすることに

 しかし、

山崎銀次郎の仕事はキャンセルされていました。

 

それで、

やむなく兄妹の海の家で働くことになったのです。

 

◆お姉さんから話を聞く。

その夜、

山崎銀次郎はお姉さんから海の家のことを聞きます。

 

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◎ 両親を亡くして三人で海の家を守っていること。

◎ その海の家は父親の「かたみ」であること。

◎ この夏、無事にやり過ごせば永久権が手に入ること。

◎ しかし、地元の空手道一家がこの土地を狙っていること。

◎ 海の家の跡地にホテルを建てるのが目的らしい。

 

だから、

何としても海の家は守り続けなければならないのです。

 

10-3.海の家に嫌がらせが

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空手道一家は海の家に来ては、お店の邪魔をします。

 

まさに「嫌がらせ」です。

 

何とか「立ち退き」をさせたいのです。

 

それが暴力であっても、

警察は手を出せません。

 

空手道一家のバックに偉い政治家がいて、

警察に手を回しているからです。

 

◆兄妹に言い聞かせる。

空手道一家の嫌がらせに何も抵抗しなかった山崎銀次郎に、

下の兄妹たちが言います。

 

「お兄ちゃん、やっつけてくれよ」

 

「そのために、やとったんだぞ」

 

「おめえは、やっぱり弱いんだ」

 

 

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そこで、

山崎銀次郎は二人に言います。

 

「バカ、

そんなにケンカなんか強くたってな」

 

「おまえ達の姉さんの強さにくらべれば、

そんなもん何にもなんねえよ」

 

そこで兄妹が言う。

 

「姉ちゃん、そんなに強いのか?」

 

山崎銀次郎が言う。

 

「ああ、つええよ」

 

「おまえ達二人の親代わりになって・・」

 

「しかも、この店をきりまわしている」

 

「つえーぞっ」

 

「一番つえー!」

 

「わかったら、

おまえらも手伝ってこい」

 

それを聞いた二人(兄妹)は、

元気にお店に戻って行きました。

 

10-4.山崎銀次郎を痛めつける

空手道一家は山崎銀次郎に目を付けました。

 

その夜、

道場に山崎銀次郎を呼び出して、

「練習」といって、

山崎銀次郎を痛みつけたのです。

 

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山崎銀次郎は、

お店のことがあるので、

一切の抵抗をしませんでした。

 

相手のなすがままでした。

 

殴られっぱなしです。

 

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でも、
山崎銀次郎はいくら殴られても向かっていきます。

 

根を上げることはありません。

 

それどころか、

「ニヤリ」

と笑みを浮かべるほどです。

 

10-5.弟がケガを

ところが、

ある日、空手道一家は、

最後の手として三人兄弟の家に忍び込みました。

 

そこで、

お姉ちゃんを襲ったのです。

 

そのとき、

助けようとした弟がケガをしてしまいます。

 

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お姉ちゃんは、

弟を慌てて病院に連れて行きますが、

何とか大事になることだけは避けられました。

 

刺さったモリは動脈を外れていたのです。

 

不幸中の幸いです。

 

◆お姉ちゃんたちは出て行くことに・・。

この件で、

お姉ちゃんは今の生活をあきらめました。

 

空手道一家の嫌がらせに、

耐えられなくなったのです。

 

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お姉ちゃんが言います。

 

「私、もうやめる」

 

「今まで一生懸命がんばって来たけど・・」

 

「もうこれ以上無理だわ」

 

「弟と妹を連れて町を出ます」

 

「うん平気よ」

 

「どこかで、

お手伝いさんにでもやとってもらって、

三人で暮らすわ」

 

◆山崎銀次郎はそっと三人の家を出て行く。

お姉ちゃんの話を聞いた山崎銀次郎は、
そっとその家を出て行きます。

 

でもそのときに

何かを「決心」したようです。

 

 

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手には剣山(けんざん)を持っていました。

 

剣山(けんざん)とは、

生け花に使う道具です。


針が沢山植え付けられており、

触ったらケガをするほどです。

 

その剣山(けんざん)

山崎銀次郎は何の目的で持ち出したのでしょうか?

 

10-6.もうガマンできねえ

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怒った山崎銀次郎は空手道一家を海岸に呼び出します。

 

決闘です。

 

「断っておくがオレのは空手じゃねえ」

 

「ケンカだ」

 

そこで、ボスが出てきた。

 

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そのとき取り出したのが、

例の剣山(けんざん)です。

 

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その剣山(けんざん)はボスの手に・・。

 

ボスの手の骨はボロボロに砕けました。

 

山崎銀次郎が言う。

 

「言ったろう」

 

「おれのは空手じゃねえ」

 

「ケンカだってよぉ」

 

「その手じゃ空手もしめえだな」

 

「空手なんてのがすべてじゃねえんだ」

 

「シロウトをなめるんじゃねえ」

 

10-7.去り際がカッコいい

翌朝、

山崎銀次郎は三人と別れることに・・。

 

二人の兄妹に、

「お姉ちゃんを手伝うんだよ」と言って。

 

それ以上何も言いませんでした。

 

空手道一家をたたきのめしたことも言いません。

 

そんなのは、

お姉ちゃんの強さに較べれば、

大したことではないと思ったからです。

 

普段の生活を、ただ黙々とやっている人が、

 

一番強い

 

のです。

 

そんな人にはかなわねえ。

 

山崎銀次郎はそう思っていたのです。

 

だから静かに立ち去っていったのです。

 

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11.まとめ

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硬派銀次郎 第9巻

どうでしたか。

山崎銀次郎って、

なかなかのものでしょう。

 

たかが漫画ですが、

されぞ漫画です。

 

今、このブログを書きながらでも、

胸が熱くなってきます。

 

「普段は目立たない灰色でもいい。

いざというときに輝けばいい」

 

この山崎銀次郎の言葉を、

今でも思い出します。

 

12.銀ちゃんの言葉

上記の言葉を正確に記載します。

概要(主旨)としては間違っていませんが・・。

 

古本を再度入手しました。2019年7月31日

その古本に基づいて再現します。

 

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「女がなんでえ」の巻より

①記載ヶ所:「女がなんでえ」の巻。
ボクシング大会で相手をたたきのめした直後。

②発した言葉:(下記)

 

男ってなあ
ふだんなんか
茶色だろうと
灰色だろうと
かまやしねえんだ

いざって時に
黄金色にかがやきゃあな
わかったかーっ!!

 

 

そして私は、
この言葉を思い出しては、
元気を取り戻しています。

 

目立たなく。

 

しかし、強く、やさしく。

 

そして、人のために。

 

山崎銀次郎は、
そう言いたかったのでしょう。

 

13.弱きを助ける

山崎銀次郎の真骨頂をもう一つご紹介します。

それは「弱きを助ける」ことです。

 

13-1.おぼれた犬を

山崎銀次郎が橋に通りかかったときです。

 

そのとき、

通行人の声が聞こえてきました。

坊やが叫んでいます。

 

「やーだよ。死んじゃうよ」

「かわいそうだよ」

 

と、橋の上から川を見ると、
そこにはおぼれている犬がいました。

 

「ちぇっ、のらい犬じゃねえか」


と、通行人の声が聞こえてきます。

 

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そのとき、

山崎銀次郎は橋の欄干を乗り越えて、

川の中へ。

 

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山崎銀次郎は、

みんなが無視していたのら犬を、

何の躊躇(ちゅうちょ)もせずに助けたのです。

 

しかも、

その助けたことを自慢することはありませんでした。

 

山崎銀次郎にとっては、

それは、

当たり前のことだったのです。
 


13-2.火事に取り残されたおばあちゃんを

女性教師が前の男と寄りを戻すことになりました。

 

その女性教師のことは、

崎銀次郎も知っています。


しかも前の男というのは、

なかなかの色男です。


しかし、

山崎銀次郎はなんとなくその男が信じられませんでした。

 

そんなとき、

女性教師と男がドライブ中に火事に遭遇します。

 

火事現場にいくと、

焼け出された人から懇願されます。

 

「中に寝たきりのおばあちゃんがいます」

 

「助けてください」

 

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それを聞いた女性教師は男の顔を見ます。

 

男「まさか、ぼくをこの火の中に飛び込ます気じゃないだろうね」

 

女「そうじゃないけど」

 

男「そりゃあぼくだって飛び込んでいきたいさ」

「しかし、そんなことをして万が一、ぼくが死んだら」

「君がいちばん不幸になるんだぜ」

「君はぼくが死んでもいいのか」


女「ちがう、ちがうのよ」

 「そんなんじゃないの」

 

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13-3.銀ちゃんが来る

そんなとき、

山崎銀次郎が来ました。


そしておばあちゃんのことを知るのです。

 

山崎銀次郎は火の中に飛び込むようです。

 

「だめだ、もう間に合わない。

死んじまうよ」

 

という声も聞かずに・・。

 

先生「銀次郎くん、だめよだめ。

お願いもう無理よ」

 

先生「先生、銀次郎くんのこと好きよ」

 「だからお願い、やめて」

 

銀ちゃん「それとこれとは話が違うんだあ」

 

と言って、


山崎銀次郎はおばあちゃんを助けに火の中へ。

 

 

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しばらくして、

山崎銀次郎がおばあちゃんを背中に背負って、

火の中から出てきます。

 

真っ先に山崎銀次郎のところに駆け寄っていった女性教師を見て、

相手の男は静かに立ち去った。

 

「負けだ」、「俺の負けだ」

 

 

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13-4.あり得ないことだろうか?

どうでしょうか。


上記2件は現実にはあり得ないことです。


川におぼれている「のらいぬ」を助けたり、

絶対無理と分かっている火事場におばあちゃんを助けにいく。

 

出来過ぎのようにも見えます。

 

だからこれは漫画だ。

 

と言わないで欲しい。

 

私は山崎銀次郎だったら、

こういうのは当たり前だと思っています。

 

漫画とかそういうことではなくて、

山崎銀次郎という人間だったら、

こうすることが当たり前のようにみえるのです。

 

他人のことを自分のことのように考える。

 

人ごとではない。

 

常に他人を優先する。

 

山崎銀次郎とは、そういう人間なのです。

 

たしかに、

現実にはあり得ないことです。

 

だから、

だから、


私は山崎銀次郎がうらやましいのです。

 

だから、

だから、

 

私は山崎銀次郎にあこがれるのです。

 

14.銀ちゃんは何故そこまで頑張れるのか?

銀ちゃんはいつも一生懸命です。


自分の限界を超えてまでも相手に向かっていきます。


勝負に集中します。

 

その集中力がすさまじいのです。

 

その力はどこから出てくるのでしょうか。

私なりに考えてみました。

 

14-1.テニスの試合にヒントが

そのヒントがテニスの試合にありました。

 

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試合中の休憩時間で銀ちゃんが・・

上のカットはテニスの試合中のものです。

 

銀ちゃんはこれまでの2試合をフルセットで戦ってきました。


この暑い中です。

 

しかも、銀ちゃんは前の晩、一睡もしていません。

疲労はすでに限界を超えていました。

 

30分の休憩のあいだに倒れてしまったのです。
(上のカット)

 

14-2.高子の言葉

「もう棄権してもいい」

という、理恵に対して高子が言います。

 

「そんなこと銀ちゃんが許すと思う?」

 

「銀ちゃんてね、普段はボケーッとしてるけど」

 

「いったん何かをやるとき、すごい力を発揮するわ」

 

「どっからそんな力が出ると思う?」

 

「なぜそんなにエネルギーを出すと思う?」

 

「自分の欲望でエネルギーを出すんじゃないのよ」

 

「銀ちゃんてね、いつだって自分ことなんて」

 

「ちっとも考えてないのよ!」

 

「かといって、他人のために自分を犠牲にして何かをやるって」

 

「そんなんじゃないの・・・」

 

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「太陽なの」

「太陽なのよ」

 

「太陽!?」 (理恵)

 

「そう」

「太陽に向かって恥じるようなことをしたくないの」

 

「それさえ自分が守っていれば」

 

「ほかになんの遠慮もすることなんてないじゃない」

 

「そういうふうに考えてるのよ、銀ちゃんて!」

 

◆銀ちゃんにあまえていいのよ。

 

「銀ちゃんがあまえさせてくれるときって、
いくらでもあまえていいのよ」

 

「もしいやなら、あまえさせてなんかくれないから」

 

◆自分の美学。

もうお分かりになったと思います。

銀ちゃんは「自分の美学」をもっています。

 

もっと口幅ったい言い方をするとこうなります。

 

男の美学

 

その美学が「太陽に恥じない」となるのです。

 

◆お天道様が見てる。

そうなんです。
私がいつも言っている「お天道様が見ている」が、
銀ちゃんの「太陽に恥じない」なのです。

 

これがあるから銀ちゃんは強いのです。

 

ぶれないのです。

 

私はこの漫画を見て意を強くしました。

 

「美学」って、
人生のなかでとっても大事なものなのです。

 

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

 

【関連記事】

本件と関連の深い拙作記事です。
といっても直接には関係ありません。

おもに「いじめ」や「児童虐待」関連です。

この漫画が、
「いじめ」や「児童虐待」の撲滅に、
役立つのではと思っています。
参考になれば幸いです。

 

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※更新履歴※

【更新】2020年1月5日、6日、7日、8日、10日、12日、24日、2月4日、21日、4月28日、6月4日、15日、22日、10月24日、2021年3月8日、2022年9月18日
少しだけ校正させていただきました。

【更新】2019年9月30日
中身(文章)をマイナー修正しました。

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