高校球児の素顔を追う、私の見た高校野球(その67)
こんにちは。
拙作ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、
「私の見た高校野球(その67)」です。
今後もこのシリーズを続けるつもりです。
私がやってきた野球取材の総括です。
取材期間 :
2000年~2014年(15年間)
その間に撮りためた写真が、
100万枚を超えました。
その写真1枚1枚は
高校球児たちの歴史と同時に、
私の歴史でもあります。
写真ですので、
その瞬間、
高校球児たちと同じ場所にいなければなりません。
その時間と空間の中から、
私の感性で切り取ったのが、
この写真集です。
だから、
その写真の中には
私の気持ちが入っています。
それは「こだわり」と
いったほうがよいかもしれません。
その「こだわり」を集大成したものが、
今回のシリーズ「私の見た高校野球」です。
なお、
素材は下記HPからの抜粋となります。
1.間一髪セーフ
袖ヶ浦球場に行って来ました。
ここで秋の千葉県大会が行われていました。
写真はその試合の1シーンです。
東海大市原望洋高校が決勝点を入れたシーンです。
8回表、1死二塁。
次の打者が左中間にヒットを放つと、
二塁走者は一気にホームへ。
外野からの返球と走者とがクロスします。(写真)
タイミングは微妙です。
間一髪の勝負です。
しかし、
このクロスプレーは「走者」に軍配が上がりました。
待望の1点です。
結局この1点が決勝点となり、
東海大市原望洋高校が勝ちました。
そうなんですね。
勝負は0.1秒で決まるのですね。
この0.1秒のために、
選手たちは日夜練習をしているのです。
(写真) 2006年9月22日 袖ヶ浦球場にて撮影
2.2011年7月18日の袖ヶ浦球場
上の写真は敗戦直後のロッカールームです。
袖ヶ浦球場で撮影しました。
本稿のタイトルはその写真の撮影日です。
私が何を言いたいか、
お察しがついたかと思います。
試合に負けたことが悔しくて泣いたこと。
監督に「よくやった」と慰められたこと。
その言葉によって、
ますます涙が出てきたこと。
そのときがこの日なのです。
その瞬間を、
どうしても残しておきたかったのです。
彼らはいつまでもこのシーンを覚えてくれるだろう。
『2011年7月18日』
このときはもう戻って来ません。
わずか一瞬の通過点です。
しかし、
彼らにとってはかけがえのない通過点です。
大人になる通過点です。
3年生にとっては、
この瞬間が卒業式なのです。
卒業、おめでとう。
(写真) 2011年7月18日 袖ヶ浦球場にて撮影
3.夏が終わり、人知れず泣く
悲しい写真を紹介します。
といっても、
夏の高校野球では必ず目にするシーンです。
必ず目にするシーンですが、
私はいつも目頭が熱くなります。
泣けて泣けてしかたがないのです。
「慣れっこ」??
そんなものは微塵もありません。
だって、
考えても見てください。
目の前にいる選手は一生に一度だけの経験ですよ。
目を真っ赤にして泣いています。
涙が枯れるまで・・。
上の写真はロッカールームから出て、
球場の外で待っている応援団の前に行こうとしている選手です。
でも、
すぐには応援団の前までは行けません。
自分の泣き顔を見せたくないのでしょう。
心の整理が出来ていないのでしょう。
そうこうしているうちに、
球場の出口前で泣き崩れました。
そこに涙を流したあとが・・。
人知れず流した涙のあとです。
一生に一度の涙です。
貴重な涙です。
私は心を鬼にして、
シャッターを押しました。
そして、
私の心にこのシーンを焼き付けました。
お疲れさま。
よく頑張ったよね。
(写真) 2011年7月13日 袖ヶ浦球場にて撮影
4.エース、ひとり泣く
夏の大会の試合直後をとらえました。
球場のそとでエースが一人泣いていました。
その姿が痛々しく、遠目からシャッターを押しました。
他人に泣いている姿は見られたくなかったのでしょう。
フェンスに顔を向けていました。
その背中からだけでも、
「泣いて」いることは分かりました。
よほど悔しかったのでしょう。
負けたことが?
自分のふがいなさが?
多分、その両方でしょう。
しかし、
その泣き顔は誰にも見せることはありませんでした。
それが、エースの意地なのか?
その気持ちを考えるとこっちのほうが泣けてきた。
泣いたっていいんだよ。
そう言いたくなりました。
お疲れさん。
頑張ったよね。
(写真) 2012年7月12日 袖ヶ浦球場にて撮影
5.最後のバッター
残酷なシーンで申し訳ありません。
夏の高校野球の1シーンです。
ゲームセットの瞬間です。
最後のバッターが一塁でアウトになった直後です。
なんとかセーフになろうと頭から滑り込みました。
しかし、
ボールのほうが早く、
一塁手のグラブに入りました。
これで、
スリーアウト、ゲームセットです。
アウトになった走者は、
暫く起き上がれませんでした。
やっとの思いで起き上がろうとする、
そのシーンが上の写真です。
顔は写っていませんが、
多分泣いていたのでしょう。
痛々しいその背中から、
それをうかがい知ることが出来ます。
私は仕事がら、
このようなシーンを何度も見てきました。
しかし、
何度見ても「慣れる」ことはありませんでした。
毎回胸が締め付けられるのです。
高校野球は負けたら「終わり」です。
次はないのです。
その重圧を最後のバッターは、
全部をしょって打席に立つのです。
そして負けたときには、
全部自分のせいと感じてしまうのです。
その気持ちが分かるだけに、
こっちまでも泣けてくるのです。
(写真) 2012年7月16日 袖ヶ浦球場にて撮影
6.まとめ
どうでしたか。
今回も厳粛な思いを込めて、
私の見た高校野球(その67)をお届けしました。
どの写真も思い出深いものです。
写真ですので、
その瞬間に私(カメラマン)が
そこにいたことになります。
つまり、
球児達と、時間と場所を共有したのです。
しかも、
その瞬間は永遠に止まったきりです。
色あせることもありません。
その瞬間が永遠に存在するのです。
そう考えると、
そこに居合わせたことに感謝しなければ。
そう思いつつ本稿を閉じます。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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