高校球児の素顔を追う、私の見た高校野球(その56)
こんにちは。
拙作ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、
「私の見た高校野球(その56)」です。
今後もこのシリーズを続けるつもりです。
私がやってきた野球取材の総括です。
取材期間 :
2000年~2014年(15年間)
その間に撮りためた写真が、
100万枚を超えました。
その写真1枚1枚は、
高校球児たちの歴史と同時に、
私の歴史でもあります。
写真ですので、
その瞬間、
高校球児たちと同じ場所にいなければなりません。
その時間と空間の中から、
私の感性で切り取ったのが、
この写真集です。
だから、
その写真の中には、
私の気持ちが入っています。
それは「こだわり」といったほうがよいかもしれません。
その「こだわり」を集大成したものが、
今回のシリーズ「私の見た高校野球」です。
なお、素材は下記HPからの抜粋となります。
- 1.ラッキーなサヨナラ、野球はメンタルな勝負でもある
- 2.サヨナラのチャンスに空振り三振、でもここは相手のピッチャーを褒めよう
- 3.高層ビルをバックに高校野球、しかもサヨナラ試合
- 4.やっぱり応援の力は大きい
- 5.間一髪セーフ、ホームのクロスプレー
- 6.まとめ
- 【関連記事】
- ※更新履歴※
- ※CMリンク※
1.ラッキーなサヨナラ、野球はメンタルな勝負でもある
少しラッキーなサヨナラゲームを紹介しましょう。
勝ったのは二松学舎沼南(2004年秋)。
8対8で迎えた延長10回の裏。
西村くんが打った打球は、二塁の後方に上がった。
このフライを、
センターとショート、セカンドの3選手が交錯した。
その交錯のはずみで落球してしまったのだ。
その間、二塁からランナーがホームインし、
サヨナラ勝ちにつながった。(冒頭の写真)
では、この試合を少し解説しておこう。
二松学舎沼南は8回の表まで4点差で負けていた。
この4点差に追いついたのが8回の裏である。
この回、一気に4点を入れたのである。
しかも、
同点の8点目はスクイズでもぎ取った。
これで、流れは二松学舎沼南に傾いた。
しかも、二松学舎沼南は後攻である。
この同点のときに、私はサヨナラを予期していた。
10回裏のフライも、
ラッキーと言えばラッキーかもしれないが、
そのラッキーを、
二松学舎沼南の勢い(流れ)が呼び込んだと
いってもよいだろう。
「流れ」とはそういうものだ。
そして、デリケートなんだ。
だから、その流れは恐いともいえるが、
その流れを変えることも出来る。
大事なのは、その流れを察する冷静さと、
その流れを変えようとする強靱な精神力である。
野球もメンタルなスポーツなのだ。
(写真) 2004年9月26日 千葉県野球場にて撮影
2.サヨナラのチャンスに空振り三振、でもここは相手のピッチャーを褒めよう
千葉県野球場にきました。
夏の大会たけなわです。
連日熱戦が繰り広げられています。
今日も9回で決着がつかずに延長戦となりました。
延長10回。
後攻の君津高校にチャンスがやってきました。
(上の写真)
二死満塁です。
バッターは3番の水野くんに打順が回ってきました。
一打、サヨナラです。
ところが、三振に倒れてしまいました。(下の写真)
残念がるベンチの仲間たち。
しかし、ここは相手のピッチャーを褒めよう。
この土壇場のなかでよく投げた。
あの冷静さは大したものだ。
水野くんもよくやった。
ただ、
少しだけ相手ピッチャーが優っていただけなのだ。
あのプレッシャーのなかでの勝負。
よく投げた。
よくバットを振った。
写真だと結果だけしか残らないが、
私の心の中には両者の熱戦が今でも残っています。
いい試合だった。
ありがとう。
(写真) 2005年7月8日 千葉県野球場にて撮影
3.高層ビルをバックに高校野球、しかもサヨナラ試合
高校野球の写真としては少し変わったのをご紹介します。
場所は千葉の幕張です。
幕張は新副都心と呼ばれているところです。
高層ビルが建ち並んでいます。
こういう都会での試合は滅多にありません。
貴重な記録です。
幕張総合高校での秋の公式戦です。
3006年9月3日、幕張総合高校 vs 千葉北
では、その試合のハイライトを見ていきましょう。
2対2で迎えた、延長10回の裏。
千葉北の攻撃です。
一死走者なしで、坂下くんの放った打球は右中間へ。
ボールが転々としている間に、三塁を回ってホームへ。
セーフとなり、千葉北がサヨナラ勝利をおさめました。
喜んだのは選手たちだけではありません。
外野の奥深くから応援していた、
千葉北の保護者さんたちです。
遠くからだったので、
今ひとつ迫力には欠けたと思いますが、
その熱の入った応援はここまで届きましたよ。
高層ビルが建ち並ぶ都会での試合でした。
いつもとは少し雰囲気が違いますが、
こういう試合もたまにはいいですよね。
お疲れさまでした。
(写真) 2006年9月3日 幕張総合高校にて撮影
4.やっぱり応援の力は大きい
高校野球はなんてたって応援です。
この応援で勝負が決まるといっても過言ではありません。
学校によっては全校生徒が詰めかけます。
写真の志学館も同じです。
その人数が半端ではありません。
対面の三塁側から見れば、
その人数と声に圧倒されます。
とくに、ここ袖ヶ浦球場は狭いので、
内野席だけでは収容しきれず、
外野席まで一杯になるほどです。
この大勢の応援のなかで、
プレーできる選手たちは幸せ者です。
この日は志学館は4点を取って勝ちました。
この4点の半分以上は、
応援団が勝ち取ったようなものです。
それだけ価値があります。
それだけ応援は重要なのです。
(写真) 2002年7月13日 袖ヶ浦球場にて撮影
5.間一髪セーフ、ホームのクロスプレー
ホームでのクロスプレーを
低いアングルから撮らせていただきました。
しかも、
走者もキャッチャーも顔の表情がうまく撮れています。
両者の表情が写るのは偶然です。
まぐれです。
神様が与えてくれたシャッターチャンスです。
感謝です。
ただ言えることは、
ホームのクロスプレーを撮るときは
一塁側に限ることです。
このほうが走者の表情が捉えやすいからです。
さて、写真です。
走者は頭から滑り込みました。
これは危険なプレーですが気持ちは分かります。
気があせっているので、
足より頭から行きたくなるものです。
幸い返球もわずかにそれたようです。
その返球がそれた分だけ、
走者のほうが早くなりました。
早いと行っても、
わずかコンマ何秒です。
しかし、
カメラはその瞬間を逃しませんでした。
肉眼ではこうはいきません。
やっぱりカメラの力は偉大です。
(写したカメラマンは大したことはありませんが)
(写真) 2006年6月12日 袖ヶ浦球場にて撮影
6.まとめ
どうでしたか。
今回も厳粛な思いを込めて、
私の見た高校野球(その56)をお届けしました。
どの写真も思い出深いものです。
写真ですので、
その瞬間に私(カメラマン)が
そこにいたことになります。
つまり、
球児達と、時間と場所を共有したのです。
しかも、
その瞬間は永遠に止まったきりです。
色あせることもありません。
その瞬間が永遠に存在するのです。
そう考えると、
そこに居合わせたことに感謝しなければ。
そう思いつつ本稿を閉じます。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
【関連記事】
※更新履歴※
【更新】2022年1月15日
少しだけ校正させていただきました。
※CMリンク※
フォトコン別冊 スポーツ写真テクニック 2013年 10月号 [雑誌]
写真上達コーチングブック (玄光社MOOK)
まるごとわかる! 撮り方ブック スポーツ編
Canon 望遠ズームレンズ EFレンズ EF70-300mm F4-5.6 IS II USMフルサイズ対応 EF70-300IS2U
Canon デジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss X9」ダブルズームキット (ブラック) EOSKISSX9BK-WKIT
Nikon デジタル一眼レフカメラ D5600 ダブルズームキット ブラック D5600WZBK
Nikon デジタル一眼レフカメラ D3400 ダブルズームキット ブラック D3400WZBK