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こんにちは、拙作ブログのご紹介です。このブログは河原健次がお届けしています。大分市出身、木更津市在住です。すでに半世紀以上も生存しています。その長い歴史から、日常生活や人生に参考になりそうな情報を提供しています。読者のみなさんに役立つことを願っています。

映画「雨あがる」、黒澤明監督が訴えたかったこととは?

 

こんにちは、

拙作ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

今回は、映画「雨あがる」です。

 

この映画は、

もう10回以上は見たでしょうか。


非常に単純な映画ですが、

なぜか心が洗われます。


落ち込んでいるときに、

この映画を見ると元気になります。

 

気持ちがスッキリします。

 

出てくる人たちが、

善人ばかりなのがいいですね。

 

貧乏だけど、

精一杯生きているのがいい。

 

それも、

憎しみ合ってではなく、

おたがいが助け合っています。

 

心が打たれます。

 

 

 

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1.映画「雨あがる」

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映画「雨あがる」 1999年作品

1-1.概要

 1999年の作品。

 

1)監督 小泉堯史
2)脚本 黒澤明
3)原作 山本周五郎
4)出演者 寺尾聰
  宮崎美子
  三船史郎
  原田美枝子
5)音楽 佐藤勝

 

1-2.ストーリー

黒澤明が生前から温めていた企画を、
黒澤組の助監督小泉尭史の手によって映画化。

 

心やさしい三沢伊兵衛(寺尾聡)は剣術の達人ながら、

人を押しのけることができず、

仕官の口も、ままならない浪人生活。


妻たよ(宮崎美子)と共に旅を続ける。


雨の続く季節、川どめにあった彼らは、

とある安旅籠(はたご)に長逗留することになった。


旅篭には行商人や農民、飯盛女(めしもりおんな)など、

庶民の活気にあふれている。

 

寺尾の剣さばきの確かさ。

 

宮崎の貧しくとも、

気品のある立ち居振る舞い。


旧黒沢組の総力を結集した、

美術の見事さが目をみはります。

 

2.私の感想

映画「雨あがる」を観た私の感想です。

 

この映画は、

貧しい人に焦点をあてた映画です。


一方で、

武士を登場させて、それと対比させながら、


人間の心や、温かみに迫っています。

 

それは、雨で立ち往生し、

同じ宿で生活をともにすることになった、

貧しい人たちの会話のなかに、

そのすべてが凝縮されています。

 

「あのお武家様は腰が低い」

「いつも、にこにこと笑っておられる」

「侍らしいところが一つもないところがいい」

 

こんな会話もいい。

 

「どうしてガミガミしているのだろうか?」

「さびしいからでしょう」

「どうして助けるんだい?」

「人間はみんな悲しいのだから」

 

 

そして、こんなセリフも。


これは寺尾が言った言葉です。

 

「刀は人を斬るものではありません」

 

「バカな自分を斬るものです」

 

3.印象に残ったシーン

 

印象に残ったシーンは沢山あります。
中でも、以下のシーンが好きです。

 

3-1.藩主の伝言を伝えにきたとき

使いの者 「剣術指南番は不採用です」

寺尾 「えっ?」

使いの者 「かけ試合をしたと申し出た者がいた」

   「それを知ったからには、採用するわけにはいかない」

    
   (そこに妻が出てくる)

    
妻「かけ試合は私も悪いと思っていました」

 「やめてくださいとお願いしていました」


 「でも今は違います」

 「かけ試合は、
 気の毒な人を喜ばせるためと、
 
知ったからです」


妻「大事なことは、こういうことではないでしょうか」


 「何をしたかではなくて、

 何のためにしたかではないでしょうか」

 

「あなたたちみたいな、

 でくの坊には、

 お分かりにならないでしょうね」

 

寺尾の制止を振り払ってさらに続ける・・

 

妻「そんな、かけ試合でしたら、
 どんどん続けてください」


「そして、

 周りの気の毒なかたたちを、

 喜ばせてあげてください」

 

4.黒澤明監督が訴えたかったこととは?

 

4-1.見終わって、晴れ晴れとした気持ちに

黒澤監督は、この「雨あがる」で、脚本を手がけています。


しかも、山本周五郎の原作を読んで、

ずっと構想をあたためてきたとのことです。

 

そして、
黒澤監督の覚え書きにはこうあります。

 

「見終わって、

晴れ晴れとした気持ちになる様な作品に

 

4-2.人の優しさとは?

黒澤監督の訴えたかったのは、

「人の優しさ」だと思っています。


その「人の優しさ」とは何か?


これを問う映画だと思っています。

 

さらに、優しさと表裏一体の、

「人の哀しさ、切なさ」

を問うています。

 

人は哀しい、切ない。

 

それが分かる人ほど優しいのです。

 

また、優しさとは、

「人の強さ」の表れでもあります。

 

本当に強い人こそ、優しいのです。

 

三沢伊兵衛は、優しい。


伊兵衛の妻も、優しい。


藩主、永井和泉守重明もまた優しい。

 

黒澤監督は、

まさに、人の社会は優しいものだ。


と、
それを訴えたかったのではないでしょうか。

 

それが、黒澤監督の覚え書きの、

 

「晴れ晴れとした気持ち」

なのでしょう。

 

5.いたわりの気持ち

弱い立場にある人々の、

いたわり合いの美しさも、

充分に描かれています。


これらも、観る人の胸にきっとしみることでしょう。


とても素晴しい作品です。

 

人生において大切なものは、

やさしさ、思いやる心、

弱者へのいたわりと言うならば、


それは一見、

無力なもののように思われるかもしれません。


しかし、

それは大きな力を持つこともあるのだということを、

黒澤監督は言いたかったのでしょう。

 

6.人生において人間にとって大切なもの

それは弱者へのいたわり、

やさしさ、思いやる心です。


この作品は、全体を通して、

このことを語りかけているようです。


それは強い、強いメッセージとして発せられています。


黒澤明氏の願いでもあるかのように・・・。

 

「貧しい者はお互いが頼りですから」


「自分の欲をはっては、

生きにくいのでしょう」

 

「どんなイヤな思いをしても、

生きていることは素晴らしい」

 

「人を押しのけず、

貧しくても真実な人たちに、

喜びを与えるあなた」

 

「このままのあなたも、立派でございます」

 

最後の言葉は妻(宮崎)が言った言葉です。

 

素敵です。

 

立派な妻です。

 

7.まとめ

 

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どうでしたか。


なかなか、心温まる映画でしょう。

 

以下は、

私が一番気に入った会話です。


城から宿に帰ってきた寺尾(旦那)と、宮崎(妻)との会話。

 

妻  「お食事になさいますか?」


寺尾 「いや」

   「今日はひとつ飲ませてください」


妻  「かしこまりました」

 

いいですね。


妻の優しさが出ています。


妻役の宮崎美子は、

寺尾に何も聞きませんでした。

 

「えっ、何かあったのですか?」

 

と聞かずに、ただひと言。

 

「かしこまりました」

 

寺尾の表情や言葉使いから、

すべてが分かったのでしょう。

 

7-1.我が家でも、この真似を

そこで、私も真似をしてみました。


会社から帰ってきて・・。

 

妻 「ご飯にするでしょう」

俺 「いや、1本つけてもらおうか」

妻 「えっ?、つまみなんかないわよ」

 

が~ん。

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

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※更新履歴※

【更新】2020年1月13日、4月9日、5月24日、28日、10月11日、2021年7月20日、2022年8月5日
少しだけ校正させていただきました。

【更新】2019年9月12日
【関連記事】追加ほか。

【更新】2019年8月24日
一部構成を見直しました。
中身(文章)をマイナー修正しました。

【更新】2019年7月2日
「目次」を追加しました。
これで少しは読みやすくなったと思います。
中身(文章)をマイナー修正しました。

 

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