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こんにちは、拙作ブログのご紹介です。このブログは河原健次がお届けしています。大分市出身、木更津市在住です。すでに半世紀以上も生存しています。その長い歴史から、日常生活や人生に参考になりそうな情報を提供しています。読者のみなさんに役立つことを願っています。

男はつらいよ第17作、お金より大切なものをもらった

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 こんにちは。
拙作ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は「寅さん」について考えてみたいと思います。

といっても、私からみた寅さん像です。

その寅さん像を、
具体的な映画を通して
見ていきたいと思います。

 

1)映画「男はつらいよ

映画「男はつらいよ」の概要は下記です。

◇原作、監督:山田洋次

◇脚本:山田洋次ほか

◇撮影:高羽哲夫(たかは てつお)*1

◇概要:渥美清(あつみ きよし)さん演じる「寅さん」が主人公の下町人情コメディ映画です。全48作から成り、『一人の俳優が演じたもっとも長い映画シリーズ』として、ギネス認定もされている名作中の名作です。

*1 撮影(カメラマン)についてひとこと。
私もカメラマンですので、
男はつらいよのカメラワークについてひとこと。

◆脇役を同時に入れる。

男はつらいよのカットには主役だけでなく、
必ず脇役を入れています。

脇役は人間に限ってはいません。

動物、植物などと、いろいろです。

場合によっては、家具や道具も入れます。

それらの脇役から、
画面に立体感奥行きを持たせています。

◆ピント位置にも配慮。

さらにスゴイのは、ピント位置に神経を使っていることです。

被写界深度を浅くしたり、
深くしたりして、

主役と脇役の関係を強調しているのです。

このへんのカメラワークは、
さすが「高羽」さんです。

 

 

 

1.映画の歴史

まずは、映画「男はつらいよ」を振り返ります。

全部で48作品あります。

この映画の前にはテレビドラマもあったようですが、
私は、ほとんど見ていませんので、
映画だけを取り上げさせていただきます。

映画は全作品のDVDを持っています。
もちろん、すでに5~6回は見ています。

下記一覧には、マドンナ役も入れておきます。

 

太字は今回取り上げた作品です。

 

1.男はつらいよ(1969年)光本幸子
2.続・男はつらいよ(1969年)佐藤オリエ
3.男はつらいよ・フーテンの寅(1970年)香山美子
4.新・男はつらいよ(1970年)栗原小巻
5.男はつらいよ・望郷篇(1970年)長山藍子
6.男はつらいよ・純情篇(1971年)若尾文子
7.男はつらいよ・奮闘篇(1971年)榊原るみ
8.男はつらいよ・寅次郎恋歌(1971年)池内淳子
9.男はつらいよ・柴又慕情(1972年)吉永小百合
10.男はつらいよ・寅次郎夢枕(1972年)八千草薫
11.男はつらいよ・寅次郎忘れな草(1973年)浅丘ルリ子
12.男はつらいよ・私の寅さん(1973年)岸恵子
13.男はつらいよ・寅次郎恋やつれ(1974年)吉永小百合
14.男はつらいよ・寅次郎子守唄(1974年)十朱幸代
15.男はつらいよ・寅次郎相合傘(1975年)浅丘ルリ子
16.男はつらいよ葛飾立志篇(1975年)樫山文枝
17.男はつらいよ・寅次郎夕焼け小焼け
 (1976年)太地喜和子

18.男はつらいよ・寅次郎純情詩集(1976年)京マチ子檀ふみ
19.男はつらいよ・寅次郎と殿様(1977年)真野響子
20.男はつらいよ・寅次郎頑張れ!(1977年)大竹しのぶ藤村志保
21.男はつらいよ・寅次郎わが道をゆく(1978年)木の実ナナ
22.男はつらいよ・噂の寅次郎(1978年)大原麗子
23.男はつらいよ・翔んでる寅次郎(1979年)桃井かおり
24.男はつらいよ・寅次郎春の夢(1979年)香川京子林寛子
25.男はつらいよ・寅次郎ハイビスカスの花(1980年)浅丘ルリ子
26.男はつらいよ・寅次郎かもめ歌(1980年)伊藤蘭
27.男はつらいよ・浪花の恋の寅次郎(1981年)松坂慶子
28.男はつらいよ・寅次郎紙風船(1981年)音無美紀子、岸本加世子
29.男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋(1982年)いしだあゆみ
30.男はつらいよ・花も嵐も寅次郎(1982年)田中裕子
31.男はつらいよ・旅と女と寅次郎(1983年)都はるみ
32.男はつらいよ・口笛を吹く寅次郎(1983年)竹下景子
33.男はつらいよ・夜霧にむせぶ寅次郎(1984年)中原理恵
34.男はつらいよ・寅次郎真実一路(1984年)大原麗子
35.男はつらいよ・寅次郎恋愛塾(1985年)樋口可南子
36.男はつらいよ・柴又より愛をこめて(1985年)栗原小巻
37.男はつらいよ・幸福の青い鳥(1986年)志穂美悦子
38.男はつらいよ・知床慕情(1987年)竹下景子
39.男はつらいよ・寅次郎物語(1987年)秋吉久美子五月みどり
40.男はつらいよ・寅次郎サラダ記念日(1988年)三田佳子
41.男はつらいよ・寅次郎心の旅路(1989年)竹下景子
42.男はつらいよ・ぼくの伯父さん(1989年)後藤久美子檀ふみ
43.男はつらいよ・寅次郎の休日(1990年)後藤久美子夏木マリ
44.男はつらいよ・寅次郎の告白(1991年)後藤久美子吉田日出子
45.男はつらいよ・寅次郎の青春(1992年)風吹ジュン
46.男はつらいよ・寅次郎の縁談(1993年)松坂慶子
47.男はつらいよ・拝啓車寅次郎様(1994年)小林幸子、かたせ梨乃、牧瀬里穂
48.男はつらいよ・寅次郎紅の花(1995年)浅丘ルリ子

 

2.今回の作品

今回取り上げるのは下記作品です。

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【概要】
第17作 1976年(昭和51年)公開
男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け

【作品データ】
監督 山田洋次
脚本 山田洋次朝間義隆

車寅次郎:渥美清
諏訪さくら:倍賞千恵子
諏訪博:前田吟
芸者ぼたん:太地喜和子
池ノ内青観:宇野重吉
志乃:岡田嘉子

 

3.あらすじ

上野で一杯やっていた寅さんは、
そこで一文無しの汚い老人(宇野重吉)と知り合いになり、
とらやへ連れて帰ってそのまま泊めてやる。

老人は画用紙に墨絵を描き、
これを神田の古本屋へ持っていけばお金になるからと寅さんに託す。寅さんは渋々その店へ行き、
主人に絵を見せたところ何とこれが七万円で売れてしまう。

あの老人が“池ノ内青観”という高名な画家だと知り、
寅さんは喜んでとらやへ帰るが、青観はすでに帰った後だった。
そのことでまた大喧嘩となり、寅さんは旅に出る。

兵庫県の龍野まで商売に来た寅さんは、青観と再会する。

青観の親しい知人だということで寅さんまで市長たちの歓待を受け、その宴会のお座敷でぼたん(太地喜和子)という芸者と出会った寅さんは、明るいぼたんと意気投合しすっかり仲良くなる。

ぼたんは鬼頭という男に二百万円のお金を貸していたが、
鬼頭は自分の財産を全て他人名義にして、
“自分は一文無しだから返せない”と言いお金を返そうとしなかった。その鬼頭と会うためにぼたんはわざわざ東京まで出てきたのだ。

そして青観に“ぼたんのため金になる絵を描いてやってくれ”と頼む。青観は“金なら融通するが、金のために絵は描けない”と言い張り2人は物別れする。

夏の盛り、寅さんがフラッとぼたんを訪ねてくる。

ぼたんは寅さんを自宅に引っ張り込み、
床の間を見せる。

そこには青観の描いた立派な牡丹の絵が飾られていた。

ぼたんはなぜ青観が自分に絵を贈ってくれたのか
さっぱりわからないが宝物にすると言い、
全てを察した寅さんは、
東京の青観に向かって手を合わせる。

 

4.志乃(岡田嘉子)の家で

過去に好き合ったが、一緒になれなかった二人です。

志乃(岡田嘉子)と青観(宇野重吉)との会話です。

播州龍野の志乃(岡田嘉子)の自宅で・・・

 

青観 「私が分かりますか」

志乃 「はい」

青観 「昔、あなたの絵を描きました」

志乃 「知っていますよ」

青観 「静かだねぇ」

志乃 「あんまり静かなもんも、一人暮らしにはさびしい」

(と、ここで志乃の本音がでます)

青観 「お志乃さん、申し訳ない」

   「あなたの人生に責任がある」
(志乃のはまだ独身だったのです)

   「ボクは後悔している」

志乃 「別の生き方をしてれば、
    後悔をしなかったといえますか」

   「人生には後悔がつきものです」

   「後悔には二つの種類があります」

   「一つは、ああすれば良かったという後悔」

   「そして、もう一つは、
   どうしてあんなことをしてしまったかという後悔」

 

5.ぼたんの借金問題(とらやで)

寅 「ぼたんをひどい目にあわせた奴のとこへ行ってくる」

  「きっと、ぼたんの仇をとってくる」

と、寅さんが、とらやを出て行く。

みんな 「大丈夫かしら」

さくら 「行き先も知らないくせに」

寅さん 「???」

ここで、ぼたんが泣き出す。

ぼたん 「さくらさん、私しあわせ」

    「200万円なんかいらん」

    「生まれて初めて」

    「男の人があんなふうに・・・」

寅さんのやさしさが、胸にしみたんですね。

 

6.青観宅で

 

寅 「せんせー、絵を描いてくんないかな」

  「ぼたんがお金をだまし取られたんだ」

  「ちょろちょろと描いてくれよ」

青観 「ちょろちょろと描けるか」

   「ボクが絵を描くことは『仕事』なんだよ」

寅 「分かったよ。もう頼まん」

  「飲み屋で先生とあったときに可愛そうと思った」

  「先生さえよければ、
  1ヶ月でも2ヶ月でも泊まっていっていいと思ったのに」

  「ぼたんの悲しい思いに、
  これっぽちも同情しねえじゃないか」

 

7.ラスト(ぼたんとの再会)

 

ぼたん 「ちょっと来て」

と寅さんをぼたんの家に連れて行く。

そこには、青観先生から贈られた牡丹の絵が。

 

ぼたん 「この前、青観先生から送ってきたの」

    「お世話になったのでお礼にとか、手紙にあった」

    「市長に相談したら『200万円で譲って』だって」

    「でもわては譲らん」

    「1,000万円積まれても譲らへん」

    「一生宝もんにするんや」

そういうぼたんの目が輝いていた。


嬉しそうな表情です。

何かが「吹っ切れた」ようだった。

 

8.ラスト(東京の方角に向かって)

寅 「ぼたん、東京はどっちだ」

ぼたん 「こっちかな」

寅さんが樽の上にのぼって、
東京の方向に向かって、手を合わせる。

 

寅 「先生、勘弁してくれよ」

  「オレがいつかいったことは悪かった」

  「水に流してくれ」

  「先生、ありがとう。本当にありがとう」

 

9.まとめ

 

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  ↑ 播州龍野の古い町並みと夕焼け

 

どうでしたか。

今作もよくまとまっており、
ジーンとくる内容でしょう。

 

1)テーマは二つ。

今作のテーマは下記です。

①人間のやさしさ。

これは、みなさんもお分かりですよね。

 

◆青観へのやさしさ。

静観が身寄りのない老人のように思えて、
寅さんをはじめ、
とらやのみんなが親身になって世話をしてくれました。

この親切が最後の「絵」に
つながっています。

 

◆ぼたんへのやさしさ。

もう一つの「やさしさ」は、
ぼたんに対するものです。

200万円の借金の件で、
とらやのみんなが必死になります。

寅さんは、
自分が犯罪者になってでも仇を討とうとします。

 

このやさしさは、
ぼたんにとっては、
今までに経験をしたことのないものでした。

 

とくに、寅さんのあの言動は、
ぼたんを動かしました。

ぼたんは、感極まって泣き出しました。

 

さて、
2つ目のテーマはおわかりでしょうか。

2つ目のテーマは下記です。

 

②後悔。

青観の初恋の人・志乃が言いましたよね。

「後悔」には2つあります。

 一つは「しない」後悔。

 もう一つは「してしまった」後悔。

 

この志乃の話がもとで、青観は実行しました。

ぼたんへの「絵」です。

それは、
寅さんからの「お願い」でもありましたが、

それよりも、お志乃さんからのこの言葉、
「2つの後悔」が青観の心を動かしました。

 

「もう二度と後悔はしたくない」

 

と思ったのでしょう。

 

2)勝者にはなれなかったが、
もっと大切なものを。

 

本作の結論はこれです。

本当の勝利というものです。

ぼたんのお金200万円はもどりませんでした。

騙した人間は「してやった」と思っているでしょう。

しかし、本当の勝者はぼたんでした。

おかげでみんなのやさしさを知りました。

青観からの絵ももらいました。

これらは、お金では買えないものです。

お金以上に価値のあるものです。

それを得たぼたんが、

本当の勝者です。

 

◆ぼたんの表情を見てください。

訪ねてきた寅さんを自分の家に無理やりに連れて行きます。

そこで、青観からもらった「牡丹の絵」を見せます。

「1,000万円を積んでも譲らへん」

「これは、私の宝物や」

という、ぼたんの顔がいい。

嬉しそうです。

 

本当の幸せをつかんだ、
そういう気持ちが
体中にあふれています。

 

お金より大事なもの。

 

そうなんですね。
他人からの親切や、やさしさ。

それに優るものはありません。

 

 最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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【更新】2019年6月21日
「目次」を追加しました。
これで少しは読みやすくなったと思います。

 

 


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