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こんにちは、拙作ブログのご紹介です。このブログは河原健次がお届けしています。大分市出身、木更津市在住です。すでに半世紀以上も生存しています。その長い歴史から、日常生活や人生に参考になりそうな情報を提供しています。読者のみなさんに役立つことを願っています。

男はつらいよ第6作、故郷をテーマに森繁久弥と寅さんがいい味を出す

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こんにちは。
拙作ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は「寅さん」について考えてみたいと思います。

といっても、私からみた寅さん像です。

その寅さん像を、
具体的な映画を通して
見ていきたいと思います。

 

1)映画「男はつらいよ

映画「男はつらいよ」の概要は下記です。

◇原作、監督:山田洋次

◇脚本:山田洋次ほか

◇撮影:高羽哲夫(たかは てつお)*1

◇概要:渥美清(あつみ きよし)さん演じる「寅さん」が主人公の下町人情コメディ映画です。全48作から成り、『一人の俳優が演じたもっとも長い映画シリーズ』として、ギネス認定もされている名作中の名作です。

*1 撮影(カメラマン)についてひとこと。
私もカメラマンですので、
男はつらいよのカメラワークについてひとこと。

◆脇役を同時に入れる。

男はつらいよのカットには主役だけでなく、
必ず脇役を入れています。

脇役は人間に限ってはいません。

動物、植物などと、いろいろです。

場合によっては、家具や道具も入れます。

それらの脇役から、
画面に立体感奥行きを持たせています。

◆ピント位置にも配慮。

さらにスゴイのは、ピント位置に神経を使っていることです。

被写界深度を浅くしたり、
深くしたりして、

主役と脇役の関係を強調しているのです。

このへんのカメラワークは、
さすが「高羽」さんです。

 

 

 

1.映画の歴史

まずは、映画「男はつらいよ」を振り返ります。

全部で48作品あります。

この映画の前にはテレビドラマもあったようですが、
私は、ほとんど見ていませんので、
映画だけを取り上げさせていただきます。

映画は全作品のDVDを持っています。
もちろん、すでに5~6回は見ています。

下記一覧には、マドンナ役も入れておきます。

 

太字は今回取り上げた作品です。

 

1.男はつらいよ(1969年)光本幸子
2.続・男はつらいよ(1969年)佐藤オリエ
3.男はつらいよ・フーテンの寅(1970年)香山美子
4.新・男はつらいよ(1970年)栗原小巻
5.男はつらいよ・望郷篇(1970年)長山藍子
6.男はつらいよ・純情篇(1971年)
  若尾文子

7.男はつらいよ・奮闘篇(1971年)榊原るみ
8.男はつらいよ・寅次郎恋歌(1971年)池内淳子
9.男はつらいよ・柴又慕情(1972年)吉永小百合
10.男はつらいよ・寅次郎夢枕(1972年)八千草薫
11.男はつらいよ・寅次郎忘れな草(1973年)浅丘ルリ子
12.男はつらいよ・私の寅さん(1973年)岸恵子
13.男はつらいよ・寅次郎恋やつれ(1974年)吉永小百合
14.男はつらいよ・寅次郎子守唄(1974年)十朱幸代
15.男はつらいよ・寅次郎相合傘(1975年)浅丘ルリ子
16.男はつらいよ葛飾立志篇(1975年)樫山文枝
17.男はつらいよ・寅次郎夕焼け小焼け(1976年)太地喜和子
18.男はつらいよ・寅次郎純情詩集(1976年)京マチ子檀ふみ
19.男はつらいよ・寅次郎と殿様(1977年)真野響子
20.男はつらいよ・寅次郎頑張れ!(1977年)大竹しのぶ藤村志保
21.男はつらいよ・寅次郎わが道をゆく(1978年)木の実ナナ
22.男はつらいよ・噂の寅次郎(1978年)大原麗子
23.男はつらいよ・翔んでる寅次郎(1979年)桃井かおり
24.男はつらいよ・寅次郎春の夢(1979年)香川京子林寛子
25.男はつらいよ・寅次郎ハイビスカスの花(1980年)浅丘ルリ子
26.男はつらいよ・寅次郎かもめ歌(1980年)伊藤蘭
27.男はつらいよ・浪花の恋の寅次郎(1981年)松坂慶子
28.男はつらいよ・寅次郎紙風船(1981年)音無美紀子、岸本加世子
29.男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋(1982年)いしだあゆみ
30.男はつらいよ・花も嵐も寅次郎(1982年)田中裕子
31.男はつらいよ・旅と女と寅次郎(1983年)都はるみ
32.男はつらいよ・口笛を吹く寅次郎(1983年)竹下景子
33.男はつらいよ・夜霧にむせぶ寅次郎(1984年)中原理恵
34.男はつらいよ・寅次郎真実一路(1984年)大原麗子
35.男はつらいよ・寅次郎恋愛塾(1985年)樋口可南子
36.男はつらいよ・柴又より愛をこめて(1985年)栗原小巻
37.男はつらいよ・幸福の青い鳥(1986年)志穂美悦子
38.男はつらいよ・知床慕情(1987年)竹下景子
39.男はつらいよ・寅次郎物語(1987年)秋吉久美子五月みどり
40.男はつらいよ・寅次郎サラダ記念日(1988年)三田佳子
41.男はつらいよ・寅次郎心の旅路(1989年)竹下景子
42.男はつらいよ・ぼくの伯父さん(1989年)後藤久美子檀ふみ
43.男はつらいよ・寅次郎の休日(1990年)後藤久美子夏木マリ
44.男はつらいよ・寅次郎の告白(1991年)後藤久美子吉田日出子
45.男はつらいよ・寅次郎の青春(1992年)風吹ジュン
46.男はつらいよ・寅次郎の縁談(1993年)松坂慶子
47.男はつらいよ・拝啓車寅次郎様(1994年)小林幸子、かたせ梨乃、牧瀬里穂
48.男はつらいよ・寅次郎紅の花(1995年)浅丘ルリ子

 

2.今回の作品

今回取り上げるのは下記作品です。

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【概要】
第6作 (昭和46年1月 公開)
男はつらいよ 純情篇

【キャスト】

車寅次郎:渥美清
諏訪さくら:倍賞千恵子
諏訪博:前田吟
明石夕子:若尾文子
千造:森繁久彌
絹代:宮本信子

 

3.あらすじ

 木枯しの吹く初冬の長崎港。

相も変らずテキヤ渡世に身をやつしている車寅次郎は、
五島列島福江島に出かけていった。

そこには長崎港で知り合った
赤ん坊連れの出戻り女絹代の家があった。

そこで絹代と父親千造の愛情あるやりとりを
聞いているうちに、たまらなく故郷柴又が恋しくなって、
一目散に柴又へ向った。

その頃柴又の「とら屋」ではおいちゃん、
おばちゃん、さくら、博たちが集まって
寅さんの噂ばなしに花を咲かせていた。

というのは数日前、
「とら屋」におばちゃんの遠い親せきで
和服の似合う美しい女性夕子が、
事情あって寅さんの部屋に寝泊りしながら店を手伝っていたからだ。

 

「寅がいたらまた熱を上げてしまう」

 

というみんなの心配をよそに、
寅さんがひょっこり帰って来た。

やがてみんなの心配通り、
寅さんが、夕子に一層熱を上げ始めた。

しかし、数日後、別居していた夕子の夫が
「とら屋」を訪ねて来たことで寅さんの恋にも終止符が打たれた。

夕子は売れない小説家の夫と逃げるように柴又を去り、
寅さんもさくらに見送られて旅へ出た。

 

4.長崎の宿で

冒頭、長崎で赤ちゃんを抱いた女(絹代)と会います。
寅さんと同じく五島に行く途中です。

しかし、今日の船は出航したあとです。
(1日に2便しかない)

それで、その世は旅館に泊まることになった。

 

1)絹代には宿賃がなかった。

ところが、絹代には宿代を持っていませんでした。

そこで寅さんが都合をしてあげることに。

その宿での会話です。

 

絹代が里帰りするいきさつを聞いた寅さん。

寅さん 「そんな男は、あっさりとあきらめな」

絹代が服を脱ごうとしたところで、寅さんが言った。

寅さん 「あんた、そんな気持ちでオレにお金を・・」

寅さん 「故郷にあんたと同じぐらいの妹がいる」

    「もし、その妹に手を出そうとする男がいたら、

    オレはその男を殺すよ」

 

5.途中の船で

寅さんと絹代は同じ船で絹代の故郷・五島へ。

その故郷が近づいたシーンです。

絹代 「故郷はかけおちして出て行ったきりだわ」

寅さん 「そうか、3年ぶりか」

ここで、絹代は泣き出します。

いろいろと過去のことが
思い出されたのでしょう。

 

6.絹代と父(森繁久弥)とのやりとり

実家にもどった絹代と父(森繁久弥)とのやりとりです。

父 「なんて名前だ」
(赤ん坊の名前をきく)

絹代 「さなえ」

父 「明日の船で帰れえ」

絹代 「なんで、あんなひどか男んとこに帰らんとあかんとね」

父 「もし、おまえが帰ってきたときに
   おとったんが死んでたらどうするきだあ」

父 「オレが死んでたら帰るとこはなくなるだぞお」

父 「おまえが好いた男だろうが」

父 「よかとこの一つぐらいあろうがあ」

父 「そんな気持ちでどうするんかあ」

父 「覚悟ができとらんでどうするんかあ」

ここで寅さんが割り込む。

寅さん 「まったくだあ」

寅さん 「帰るところがあると思うから
いけねぇんだ」

と妹・さくらやとらやのことを話し出す。

 

7.森繁久弥のしぐさがうまい

寅さんが話をしている間、父(森繁久弥)は酒の準備をする。

そのときの「しぐさ」が絶品です。

 

寅さんの話をききながら、
娘・絹代を「ちらっ」と見ます。

 

その「しぐさ」は、父親の愛情です。

 

こういう「しぐさ」で、父親の気持ちを見せるのは、

さすがは森繁久弥です。

 

8.船の汽笛が

「ブー」と港のほうから音が聞こえてきました。

父 「風が出てきたようだな」

※「ブー」という音の出かたで
風の強さや方向が分かるのですね。

細かい演出です。

 

寅さん 「今の音は?」

父 「ああ、あれは最終の船の音だ」

 

9.便所はあっちだ

寅さん 「ああっ、出るってよ」

父 「便所はあっちだあ」

父 「外でもできるだあ」

といっているうちに、
寅さんは家を飛び出していく。

寅さん 「その船、待ってくれぇーっ」

それを見た娘・絹代と父(森繁久弥)が言う。

絹代 「あの人に、お金を返さんばあかん」

父 「もう間に合わん」

 

慌てて出て行った寅さんに・・・。

父 「あの人は、少し体が悪かっとかねえ」

父 「かわいそうに」

 

ここが、いちばん笑えました。

 

寅さんの必死さと、
森繁久弥の冷静さが対照的です。

でも、
両方ともいい人だと分かっているから、

気持ちよく笑えるのですよね。

 

10.駅のホームで

この作品でもっとも有名なのが、

さくらと寅さんの柴又駅での別れのシーンです。

寅さんのセリフです。

 

「故郷ってやつはよお」

 

と言ったあとに、電車のドアが閉まって、
そのあとが聞こえません。

ここを再現します。

さくら 「お兄ちゃん、また遠くへ行っちゃうのね」

さくら 「せめてお正月ぐらいはいてもいいじゃない」

電車に乗り込む寅さんの首へ、さくらがつけていた
マフラーを巻いてあげる。

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さくら 「つらかったらいつでも帰ってね」

寅さん 「故郷ってやつはよお」

さくら 「ええっ、なにい?」

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さくら 「今、なんて言ったの?」

ここでドアが閉まります。

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1)私の推測。

このあと、寅さんがなんと言ったでしょう。

私の推測です。

「故郷はいつもオレの心の中にあるんだ」

「さくら、ありがとう」、「達者でな」

 

11.ラストシーン(お正月の電話)

最後は、
絹代が「とらや」を訪ねていったシーンです。

親子水入らずです。

旦那と寄りを戻したようです。

マジメになったのですね。

旦那が赤ちゃんを大事に抱いています。

そこに、さくらのすすめで、


父(森繁久弥)に電話することに。

 

絹代 「父さん聞こえる?」

森繁久弥 「・・・」

絹代 「旦那は一生懸命働いているけんね」

森繁久弥 「・・・」

絹代 「電話代が長くなるけん切るよ」

絹代 「あっ忘れとった、『おめでとう』」

その間、森繁久弥はひと言もしゃべりません。

顔はぐしゃぐしゃです。

鼻水も出ています。

 

12.このしぐさがいい!

最後のシーンです。
ホントに、最後の最後のシーンです。

 

森繁久弥が電話を切って、
酒にかんをつけています。

 

座布団に座っています。

後ろ姿です。

 

その座布団で、

手についた涙をぬぐっています。

 

その座布団のそばに、
寅さんからの年賀状が置いてあります。

たったそれだけのシーンです。

 

ですが、

父親の愛情があふれています。

 

「帰ってくるな」

 

といいながら、帰ってきて欲しい。

 

「旦那が改心し、戻って来た」

「よかった」

 

3人の姿を一目みたい。

 

しかし、
3人には新しい生活がある。

 

「これでいいんだ」

 

と思っても、
やっぱりさびしい。

 

こんな複雑な気持ちがあの後ろ姿に。。

 

座布団で涙をぬぐうしぐさに。。。

 

私が一番ジーン」ときたシーンです。

森繁久弥はスゴイ役者です。

 

13.まとめ

どうでしたか。

今回の作品も良かったですよね。

1)マドンナより中身に興味あり。

私は、マドンナとのやりとりより、
作品の中身に興味があります。

 

その映画で何が言いたいかです。

山田監督のメッセージです。

 

2)今回のテーマは「故郷」。

そうです。

今回のテーマは「故郷(こきょう)」です。

 

「故郷(こきょう)」、
簡単そうで難しいテーマです。

 

これを長崎の五島を舞台に展開しました。

森繁久弥の出番は最初と最後だけです。

時間にして、5分ぐらいでしょうか。

 

でも、
そのわずか5分間で、

このテーマを言い切りました。

 

見事な役者です。

 

寅さん(渥美清)が、
少し「力んで」いたのが微笑ましい。

 

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。 

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 【更新】2019年6月21日
中身(文章)をマイナー修正しました。
「目次」を追加しました。
これで少しは読みやすくなったと思います。

 


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「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド