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こんにちは、拙作ブログのご紹介です。このブログは河原健次がお届けしています。大分市出身、木更津市在住です。すでに半世紀以上も生存しています。その長い歴史から、日常生活や人生に参考になりそうな情報を提供しています。読者のみなさんに役立つことを願っています。

男はつらいよ第32作、竹下景子がいい味を出している

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 こんにちは。

拙作ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

今回は、

「寅さん」について考えてみたいと思います。

 

といっても、

私からみた寅さん像です。

 

その寅さん像を、

具体的な映画を通して、

見ていきたいと思います。

 

1)映画「男はつらいよ

映画「男はつらいよ」の概要は下記です。

◇原作、監督:山田洋次

◇脚本:山田洋次ほか

◇撮影:高羽哲夫(たかは てつお)*1

◇概要:渥美清(あつみ きよし)さん演じる

「寅さん」が主人公の下町人情コメディ映画です。

 

全48作から成り、

『一人の俳優が演じたもっとも長い映画シリーズ』として、

ギネス認定もされている名作中の名作です。

 

*1 撮影(カメラマン)についてひとこと。
私もカメラマンですので、

男はつらいよのカメラワークについてひとこと。

 

◆脇役を同時に入れる。

男はつらいよのカットには主役だけでなく、

必ず脇役を入れています。

 

脇役は人間に限ってはいません。

 

動物、植物などと、いろいろです。

 

場合によっては、

家具や道具も入れます。

 

それらの脇役から、

画面に立体感奥行きを持たせています。

 

◆ピント位置にも配慮。

さらにスゴイのは、

ピント位置に神経を使っていることです。

 

被写界深度を浅くしたり、
深くしたりして、

主役と脇役の関係を強調しているのです。

 

このへんのカメラワークは、

さすが「高羽」さんです。

 

 

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1.映画の歴史

まずは、

映画「男はつらいよ」を振り返ります。

 

全部で48作品あります。

 

この映画の前にはテレビドラマもあったようですが、

私は、ほとんど見ていませんので、

映画だけを取り上げさせていただきます。

 

映画は全作品のDVDを持っています。


もちろん、

すでに5~6回は見ています。

 

下記一覧には、

マドンナ役も入れておきます。

 

太字は今回取り上げた作品です。

 

1.男はつらいよ(1969年)光本幸子
2.続・男はつらいよ(1969年)佐藤オリエ
3.男はつらいよ・フーテンの寅(1970年)香山美子
4.新・男はつらいよ(1970年)栗原小巻
5.男はつらいよ・望郷篇(1970年)長山藍子
6.男はつらいよ・純情篇(1971年)若尾文子
7.男はつらいよ・奮闘篇(1971年)榊原るみ
8.男はつらいよ・寅次郎恋歌(1971年)池内淳子
9.男はつらいよ・柴又慕情(1972年)吉永小百合
10.男はつらいよ・寅次郎夢枕(1972年)八千草薫
11.男はつらいよ・寅次郎忘れな草(1973年)浅丘ルリ子
12.男はつらいよ・私の寅さん(1973年)岸恵子
13.男はつらいよ・寅次郎恋やつれ(1974年)吉永小百合
14.男はつらいよ・寅次郎子守唄(1974年)十朱幸代
15.男はつらいよ・寅次郎相合傘(1975年)浅丘ルリ子
16.男はつらいよ葛飾立志篇(1975年)樫山文枝
17.男はつらいよ・寅次郎夕焼け小焼け(1976年)太地喜和子
18.男はつらいよ・寅次郎純情詩集(1976年)京マチ子檀ふみ
19.男はつらいよ・寅次郎と殿様(1977年)真野響子
20.男はつらいよ・寅次郎頑張れ!(1977年)大竹しのぶ藤村志保
21.男はつらいよ・寅次郎わが道をゆく(1978年)木の実ナナ
22.男はつらいよ・噂の寅次郎(1978年)大原麗子
23.男はつらいよ・翔んでる寅次郎(1979年)桃井かおり
24.男はつらいよ・寅次郎春の夢(1979年)香川京子林寛子
25.男はつらいよ・寅次郎ハイビスカスの花(1980年)浅丘ルリ子
26.男はつらいよ・寅次郎かもめ歌(1980年)伊藤蘭
27.男はつらいよ・浪花の恋の寅次郎(1981年)松坂慶子
28.男はつらいよ・寅次郎紙風船(1981年)音無美紀子、岸本加世子
29.男はつらいよ・寅次郎あじさいの恋(1982年)いしだあゆみ
30.男はつらいよ・花も嵐も寅次郎(1982年)田中裕子
31.男はつらいよ・旅と女と寅次郎(1983年)都はるみ
32.男はつらいよ・口笛を吹く寅次郎
(1983年)竹下景子

33.男はつらいよ・夜霧にむせぶ寅次郎(1984年)中原理恵
34.男はつらいよ・寅次郎真実一路(1984年)大原麗子
35.男はつらいよ・寅次郎恋愛塾(1985年)樋口可南子
36.男はつらいよ・柴又より愛をこめて(1985年)栗原小巻
37.男はつらいよ・幸福の青い鳥(1986年)志穂美悦子
38.男はつらいよ・知床慕情(1987年)竹下景子
39.男はつらいよ・寅次郎物語(1987年)秋吉久美子五月みどり
40.男はつらいよ・寅次郎サラダ記念日(1988年)三田佳子
41.男はつらいよ・寅次郎心の旅路(1989年)竹下景子
42.男はつらいよ・ぼくの伯父さん(1989年)後藤久美子檀ふみ
43.男はつらいよ・寅次郎の休日(1990年)後藤久美子夏木マリ
44.男はつらいよ・寅次郎の告白(1991年)後藤久美子吉田日出子
45.男はつらいよ・寅次郎の青春(1992年)風吹ジュン
46.男はつらいよ・寅次郎の縁談(1993年)松坂慶子
47.男はつらいよ・拝啓車寅次郎様(1994年)小林幸子、かたせ梨乃、牧瀬里穂
48.男はつらいよ・寅次郎紅の花(1995年)浅丘ルリ子

 

2.今回の作品

今回取り上げるのは下記作品です。

 

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【概要】
第32作 1983年12月28日に公開
男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎

 

【スタッフ】
監督・原作:山田洋次
脚本:山田洋次朝間義隆
製作:島津清、中川滋弘
音楽:山本直純

 

【キャスト】
石橋泰道(和尚):松村達雄
大坂屋:長門勇
石橋朋子竹下景子
石橋一道:中井貴一
ひろみ:杉田かおる

 

3.あらすじ

備中は高梁の地に立ち寄った寅次郎。

博の亡き父のお墓参りをしようとする。

 

寺の和尚(松村達雄)に気に入られた寅は、

二日酔いの和尚の代理で法事に出て法話が受け、

寺に住み着く事になった。

 

和尚には朋子(竹下景子)という美しくて、

しっかりした娘が出戻っており、

恋の虜になる。

 

さくらたちは、

三回忌のために菩提寺に集まる。

 

まさかと思ったら寅が坊主の格好をしていた。

 

そんなさくらは寅の姿に驚き、

「まさか悪いことでもしてるんじゃないでしょうね」

と涙ながらに言っていたが、

「これにはいろいろわけがあるんだ。泣くなっつーの」と悟す。

 

寺を継ぐはずが、

大学をやめて東京の写真スタジオで働くという、

長男の一道(中井貴一)を和尚は勘当同然に追い出した。

 

一道には病弱な父を支えて酒屋を切り盛りしている、

ひろみ(杉田かおる)という恋人がいた。

 

その時一道は電話で、

 

「今夜中に東京に行く」

 

と告げて電話を切った。

 

走り去る電車の車窓でひろみをみつけ、

「ひろみー」と大声で叫んで大きく手を振った。

 

「いったらいけん、いったらいけん」

 

とひろみは踏切で流れる涙をぬぐった。

 

ある夜、

入浴中の和尚と湯加減を心配する朋子の

「寅を養子に貰うか」

という会話を耳にした寅は、

翌朝、書きおきを残して東京に発った。

 

帝釈天の門を叩き、

御前様のもとで、

僧侶になるための修行を積む事を決心する。

 

朋子が柴又まできて再会。

 

最後の柴又駅のシーンで、

朋子も寅次郎と結婚したいとほのめかすが、

寅次郎は冗談と受け止め笑ってごまかすのであった。

 

朋子は悲しげに去っていく。

 

そして寅はまた、

旅に出るのであった。

 

4.朋子の弟のことで

和尚のうちでの会話です。

 

朋子の弟が大学に行かずにカメラばっかりやっており、

お父さんとケンカばかり。

 

その中に入って困っている、

姉・朋子と寅さんとの会話。

 

寅 「男の子は親父とケンカしたほうが、一人前なんじゃ」

朋子 「寅さんもお父さんとケンカしたん?」

寅 「ああっ」

  「出ていけーっ、と追い出された」

朋子 「それで一人前に?」

寅 「・・・」

朋子 「こんなとき、寅さんがいて本当に良かった」

と、朋子(竹下景子)が嬉しそう。

 

ここの表情がいい。

 

ちょっとあどけない、
子供のような表情です。

 

5.お風呂場で

 

和尚が風呂に入っている。

 

外で朋子と寅さんがいる。

 

薪を焚いています。

 

和尚 「朋子、ぬるいぞーっ」

朋子 「いま焚いているがなあ」

和尚 「朋子、そろそろ嫁に行ったらどうか」

朋子 「そしたら、お父さんどうする?」

 

と、お父さんのことを心配する。

 

和尚 「寅さんを婿養子に迎えるか」

   「この前、いっとうたんじゃないか?」

   「もう、インテリはこりごりだと」

   「今度結婚するときh、寅さんみたいな人がええ、と」

 

と、

朋子のそばに寅さんがいることも知らずに、

ペラペラと話し出す。

 

それを聞いた朋子は恥ずかしそう。

 

でも嬉しそうでもあります。

 

恥ずかし、嬉しい。

 

ここでも、

子供の表情を見せる、

竹下景子がかわいい。

 

◆翌朝、寅さんは出て行く。

その翌朝、寅さんは置き手紙を残して、
和尚の家を出て行きます。

朋子はさびしそうです。

朋子はすぐに分かりました。

寅さんが出て行ったのは、

夕べお父さんが言ったことが原因だと。

余計なことをしゃべったお父さん(和尚)に

冷たくあたっています。

 

朋子は、庭掃除をしながら、

眼下を見下ろします。

 

そこには、

まさに寅さんを乗せた電車が出ていこうとする、

駅のホームが見えます。

 

それをじっと見ている朋子がさびしそう。

 

ここでも竹下景子が見事な演技をしています。

 

さびしそうな気持ちが出ています。

 

6.とらやで

朋子は弟のことが心配で東京に出てきました。

 

しかし、日帰りです。

 

さくらやおいちゃんたちに、
弟のことを聞いてお礼を言います。

 

朋子 「ありがとうございます」

   「弟のことを思ってくれる人が、
   東京にいるんだって」

 

と嬉しそう。

 

朋子 「お父さんが言ってた」

   「弟は寅さんみたいに育てられたら一番ええ、と」

 

と言いながら、

寅さんの「たもと」を引っ張る

 

なにか言いたそうです。

 

朋子 (小さい声で寅さんに)

   「駅まで送ってって」

 

7.駅のホームで

さくらと朋子の会話

 

さくら 「ごめんなさいね」

    「お兄ちゃんのこと」

    「お客さんがくると妙に騒ぐ人がいるよね」

    「あれとそっくり」

 

そこに寅さんが来た。

 

和尚さんへのお土産を買ってきたのだ。

 

朋子 「ねえ寅さん」

 

と、また寅さんのたもとを引っ張る。

 

朋子 「ごめんなさい」

   「この前のお風呂場のこと」

   「2~3日前にお父さんに聞かれたの」

   「今度結婚するなら、どげんな人がいいかと」

   「それでね、私言ったの」

 

と、ここで言いにくそうにする。

 

寅さん 「寅ちゃんみたいな人がいい、っていったんだろう」

(プーと、電車がホームに入ってくる)

朋子 「そのことで、寅さんに負担をかけたんじゃないかと」

   「だからおわびに来たの」

寅さん 「そんなの本気にするわけ、ねえだろう」

 

それを聞いた朋子は、かなしそう。

 

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朋子 「私の錯覚だったんだわね」

 

寅さん 「安心したか?」

 

「ううん」と言うように、

朋子は首を横に振る。


このしぐさがいい。


悲しそうです。

 

さびしそうです。

 

朋子 「もういいの」

 

と、

いって電車に乗り込む。

 

8.まとめ

 どうでしたか。

今作も、ジーンとくるシーンが多かったですね。

 

1)竹下景子で始まって竹下景子で終わる。

そうなんです。

今作は竹下景子で始まって竹下景子で終わりました。

中井貴一とか杉田かおる

そんなのは脇役です。

しかも演技が下手。

 

とにかく竹下景子の演技が素晴らしいので、
他の役者は目立ちません。
ヘタすぎます。

 

◆朋子(竹下景子)を表した言葉。

 

朋子(竹下景子)の魅力を、

博はこう表現しました。

 

「美しさの中に知性を秘めた人」

そのとおりだと思います。

 

ただ美しいだけでなく、知性があります。


頭の良さがただよっています。

 

それでいて、「控えめ」です。

 

2)朋子(竹下景子)の気持ちに分け入る。

ここで朋子の気持ちに分け入ってみよう。

◆もちろん、寅さんが好きだった。

◆お父さんの嬉しそうな姿が・・。

寅さんのこと、

自分も好きだったのでしょうが、
それ以上に、

寅さんと一緒にいるときの、

お父さんの嬉しそうな表情が、

なにより朋子をひきつけたと思います。

 

そうなんです。

 

朋子は自分のことより他人を第一に考えます。

 

お父さんが喜ぶ寅さんがいい。

 

この人と結婚したらお父さんが喜ぶ。

 

と思ったのでしょう。

 

朋子(竹下景子)とは、
そういう人なのです。

 

 最後までお読みいただき、

ありがとうございました。

 

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※更新履歴※

【更新】2021年2月1日、2021年12月5日

少しだけ校正させていただきました。

 

※CMリンク※

 

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寅さんの向こうに 渥美清没後20年記念 (週刊朝日ムック)