地獄の早朝練習、そこまで彼らを駆り立てるものは(拓大紅陵・小枝監督)
こんにちは。
拙作ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、高校野球のお話です。
高校野球の早朝練習を取り上げました。
高校野球に限らず、
シーズンオフをどう過ごすかは、
大事なことです。
そのシーズンオフの過ごし方次第で、
本番の勝負が決まると言われています。
そのシーズンオフの過ごし方の中でも、
「早朝練習」ほどつらいものはありません。
なかでも、
拓大紅陵の早朝練習は、
過酷さが半端ではない
ということで有名です。
その過酷さゆえに、人はそれを、
地獄の早朝練習
と呼んでいます。
では早速、その
地獄の早朝練習
を見ていきましょう。
1.拓大紅陵の早朝練習
拓大紅陵の早朝練習は、
当時の監督・小枝監督が考案し、
実施されるようになりました。
その小枝監督の訃報です。
【訃報】
元拓大紅陵監督・小枝さんが、2019年1月21日午前9時7分、
肝細胞がんのため、都内の病院で亡くなりました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
拓大紅陵の早朝練習の概要は、
下記のとおりです。
1)季節:毎年11月中旬~1月中旬
(冬休みはほぼ毎日、それ以外は週末のみ)
2)場所:拓大紅陵グラウンド、および屋内練習場
3)時間:朝4時前~7時過ぎ
4)練習メニュー:(下記)
①ウォーミングアップ(ランニング、準備体操)
↓
②個人種目(約10種類×3セット程度)
↓
③団体種目(約10種類×3セット程度)
↓
④クールダウン(ランニング、整理体操)
1-1.場所は屋内練習場だけ?
屋内練習場は、
最初のころは「雨天専用」でしたが、
最近は、近所への迷惑(大きな声?)に配慮して、
天候にかかわらず、
屋内練習場を使用しているようです。
近所から、
「早朝からうるさい」
とクレームがあったようです。
少しぐらいは我慢して欲しいですよね。
高校生が朝から頑張っているのに。
暴走族と一緒にしないでいただきたい。
1-2.グラウンドでの開放感に満ちた練習
グラウンドでの朝練を経験している私にとって、
屋内の朝練は少し寂しいものがあります。
一方、
選手たちはホッとしているかもしれません。(笑)
ちなみに、
本ブログに掲載の写真は、
グラウンドで撮影した写真が殆どです。
(後半は屋内練習も取り上げています)
いずれにしても、
早朝練習(しかも冬)ですので寒かったです。
今でも、
写真を見ただけで震えが来ます。
その「震え」は寒さだけはでなく、
武者震いでもあります。
2.早朝練習の効果
そこで、
早朝練習の効果です。
小枝監督はこうおっしゃっています。
(じかに私に話をしてくれました)
「この地獄の朝練が終わる頃には、
今まで捕れなかったボールが捕れるようになった」
そうなんです。
たった2ヶ月程度の早朝練習ですが、
まちがいなく選手たちの
体力は向上するのです。
それよりもっと驚くべきことは、
精神的な成長
です。
私は、
この精神的な効果のほうが大きいと見ています。
それは、
彼らの表情や言葉から、
感じ取ることができます。
3.なぜそこまでやるのか?
彼らをそこまで駆り立てるのは何なのでしょうか?
その大きな理由に、
小枝監督があります。
小枝監督の教育者としての素晴らしさが、
選手たちの心を動かすのです。
それは、
私が現場で肌で感じたことですので、
間違いありません。
つまり、
私自身が体得した
と言えばおわかりでしょうか。
3-1.小枝監督の言葉
早朝練習で小枝監督がおっしゃっていた言葉です。
(抜粋)
「何をやっても1日は1日、
苦しくても1日、楽しくても1日」
「立てた計画をなぜ変えるんだ」
この日、監督は何度もそう言っていました。
計画とは練習計画のことでしょう。
それは、
選手たちの甘えようとする心を見抜いての言葉のようでした。
人並みのことをしていては、
人並みのことしか出来ない。
きつい練習だが、
計画するだけでなく、
実践してこそ価値がある。
そこに意味があるのだ。
そのことを監督は言いたかったのでしょう。
3-2.ただのスパルタではない
「地獄」というとすぐに、
「スパルタ教育」を想像するでしょうが、
拓大紅陵の早朝練習は、
そんなものではありません。
極めて論理的で、計算つくされています。
それが証拠に、
千葉県内外の学校関係者が見学に来ます。
それを小枝監督は拒むどころか、
完全オープン
で迎えています。
3-3.音楽を効果的に活用
音楽(BGM)を効果的に使っているのも、
論理的なトレーニングを裏付けています。
練習メニューの単調さをカバーするため、
テンポのよい音楽を流しています。
その曲は10曲以上はあるようです。
それも練習内容に合わせて、
曲を選びそのテンポを変えています。
きつくなったら曲のテンポを落とします。
(逆にテンポを上げることも・・)
この選曲と速度の調整を、
小枝監督みずからが行っています。
細かい目配り、気配りです。
3-4.BGMの効果は大きい
たしかに、
BGMの効果は大きいようです。
音楽が流れていると、
練習が楽しくなります。
たしかに、
練習はきついのですが、
流れる音楽で、
そのきつさがやわらぎます。
不思議です。
そういえば、
医療現場でも音楽が使われています。
手術中に音楽を流す病院もあるようです。
小枝監督は、
そこまで分かっていたのでしょう。
◆補足 2019年10月31日
上の写真が音楽(BGM)を流しているシーンです。
(操作しているのは故・小枝監督)
手前の丸い編み目のものが「スピーカー」です。
その奥がプレーヤーです。
このプレーヤーの「つまみ」を回して、
ボリューム(音量)や音楽のテンポを調整します。
この操作を全部小枝監督が行っていました。
4.取材するほうも大変
ここで、
少し私のことについて書かせてください。
拓大紅陵の早朝練習には、
私も何度かつきあわせていただきました。
(練習ではなく取材だけですが・・)
1)期間 : 12年間
2)回数 : 73回
3)機材 : カメラx8台、レンズ×13本、ストロボ×1台
監督さんの許可をいただいて、
グラウンドに降ろさせていただきました。
おかげで、
迫力ある写真を撮ることができました。
選手たちの息づかいまでが伝わってくる、
そんな迫力ある写真が撮れました。
あっごめんなさい。
自分の写真を自慢するつもりはありません。
私の一連の取材は、
過酷な練習に耐える選手たちへの、
「恩返し」
だと思っています。
彼らが大人になったときに、
私の写真を見て、
何かの糧にしてくれるだけでよいのです。
それより、
お礼を言いたいのは保護者さんたち
です。
撮影途中にいただいたコーヒー、
とてもおいしかったです。
砂糖とミルク一杯の、
愛情たっぷりのコーヒー。
極寒の中でいただいたコーヒーは、
心にしみました。
鼻水と一緒に(きたない話でゴメン)、
涙が出てきたのを今でも鮮明に覚えています。
5.まとめ
どうでしたか。
早朝練習の壮絶さが伝わったでしょうか。
私はこの早朝練習を通して、
多くのことを学ばせていただきました。
①ひたむきさの意味。
②ひたむきさの大切さ。
③ひたむきさの素晴らしさ。
④ひたむきさが人をひきつけること。
拓大紅陵の選手諸君ありがとう。
そして、
小枝監督に感謝しています。
本当に、
ありがとうございました。
この早朝練習で得た経験は私の宝です。
一生忘れません。
感謝しています。
本当にありがとございました。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
6.写真集
本項に記載できなった早朝練習の写真集です。
ほかにまだ沢山ありますが、
とりあえず、
準備ができたものからアップさせていただきます。
<補足>
上の写真について捕捉させていただきます。
写真の「ピースサイン」は、
決してふざけているわけではありません。
小枝監督に言われたのです。
「ほら写真撮ってるよ」
「だらしない格好じゃダメだよ」
と、発破をかけられたためです
でも、そんな余裕なんかないですよね。
よく、ここまでやってくれました。
ありがとうございます。
【関連記事】
本項の関連記事を下記に紹介させていただきます。
いずれも拙作記事ですが、参考になれば幸いです。
※更新履歴※
【更新】2019年12月25日、2020年1月2日、8日、2月1日、3月30日、8月7日、2021年3月13日、2022年4月22日
少しだけ校正させていただきました。
【更新】2019年9月10日
CMリンク追加。
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