勝つことより、勝ったあとのほうが大事(拓大紅陵・小枝監督)
こんにちは。
拙作ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、高校野球のお話です。
実は私、高校野球の大ファンです。
高校野球のHPも開設しており、
地元千葉県の高校野球の取材をしてきました。
(今は休職中)
その高校野球の取材のなかで、
いくつものの、
感動する場面に出会いました。
その感動の「おすそ分け」として、
拓大紅陵の小枝(こえだ)監督
についてご紹介したいと思います。
- 1.小枝監督のこと
- 2.小枝監督との出会い
- 3.勝つことより、勝ったあとの方が大事
- 4.野球より人間教育に尽力
- 5.あくまでも高校野球は人生の通過点
- 6.公立高校への恩返し
- 7.まとめ
- 8.読者の声(追加記事)
- 9.アクセスが30倍に! 2018年12月2日 追記
- 【関連記事】
- ※更新履歴※
- ※CMリンク※
【訃報】
元拓大紅陵野球部監督・小枝 守さんは、
都内の病院で亡くなりました。
2019年1月21日午前9時7分
肝細胞がんのため
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
2019年1月21日 16時更新
※故・小枝監督の訃報記事は下記に記載しています。
1.小枝監督のこと
小枝監督は、
正確には「元監督」です。
皆さんは、
拓大紅陵の監督というより、
下記のほうが、よくご存じかと思います。
2017 WBSC U-18/侍ジャパン監督
小枝監督はチームを何度も甲子園に出場させました。
甲子園で準優勝
(1992年)の経験もあります。
また、
夏の甲子園大会の、
テレビ解説者(BS朝日)としても有名です。
2.小枝監督との出会い
小枝監督との出会いを、
少しだけ紹介させてください。
小枝監督との出会いは、
約15年以上前のことです。
2-1.拓大紅陵のグラウンドで
私が拓大紅陵のグランドに行きました。
甲子園の常連校が、
どんな練習をしているのか?
それが気になったからです。
もちろん、
あわよくば取材も
と思ってカメラを持参しました。
そこに小枝監督があらわれました。
もう、
神様のような存在でした。
恐る恐るたずねました。
「か、か監督、
練習風景を見させてください」
「写真も撮りたいのですが」
ここまで言うのが精一杯でした。
こんな緊張、生まれて初めてです。
すると、
「ああ、いいですよ」
「でも、
ボールには気をつけてくださいね」
ええっ?
やっ、やさしい!
この一言で、
私は小枝監督のファンになりました。
2-2.ほぼ毎週のように
それからは、
ほぼ毎週のようにグラウンドへ出かけました。
監督といろいろと話をさせていただきました。
あの超有名人が私のような者にまで、
気軽に話をしてくれるなんて、
夢のよう でした。
『実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな』
3.勝つことより、勝ったあとの方が大事
そこで、今回のテーマです。
「勝つことより、勝ったあとの方が大事」
この言葉は、直接、小枝監督から聞きました。
「勝ったのは、ときの運」
「勝って舞い上がった気持ちは捨てろ」
「負けた相手を気遣え」
そこで、上の写真を見てください。
校歌斉唱のあと、
味方の応援席へ挨拶に行くシーンです。
拓大紅陵と他校の差がお分かりでしょうか。
拓大紅陵:淡々と応援席に行っています。
他校:喜び勇んで応援席に行っています。
この光景を最初は異様なシーンとしてしか、
見ていませんでした。
むしろ、
拓大紅陵って、甲子園常連校だけあって、
地方大会で1勝したからといって喜ばないんだ。
「お高くとまっている」
と思っていました。
しかし、実際は違っていました。
実際は、
「敗戦校への気遣い」
でした。
敗戦校への精一杯の思いやりです。
勝って「はしゃぐ」のは相手チームに失礼だ。
勝ったのは時の運。
それをはしゃいで喜ぶものではありません。
むしろ、敗者へ最大限の配慮をすべきです。
4.野球より人間教育に尽力
小枝監督の言葉です。
「負けることより、勝つ方が難しい。
勝ったときの態度、姿勢が大事である。
勝っておごらず気遣いの出来る、
そういう選手になってもらいたい」
「一生懸命なうちは不平・不満が生まれる。
必死になれば工夫が生まれる」
5.あくまでも高校野球は人生の通過点
夏の千葉県大会の4回戦でした。
拓大紅陵のピンチでした。
エースがアップアップの状態でした。
すぐにベンチから伝令が出ました。
結局、その試合は負けてしまいました。
拓大紅陵の夏は終わりました。
翌日、私は小枝監督に、
そのことについて直接聞きました。
「あのとき、
ピッチャーにはなんと言ったのですか?」
「ただひとこと『なえるな』だけですよ」
「だってそうでしょう。
△△君にはまだ大事な将来があるからね」
そうなんです。
小枝監督は試合も大事ですが、
選手の将来のほうがもっと大事だったのです。
監督はピンチでも、
殆ど指示を出すことをしませんでした。
それは、社会に出ても同様です。
試練は自分で乗り越えなければならない。
その強い信念を持っていたからです。
野球でも社会でも同じです。
最後は自力で解決しなければならないことを
教えたかったそうです。
常勝を期待された総指揮官。
その総指揮官が、
負けたら終わりの「がけっぷち」で、
野球を、
人生の修行の場であることを貫こうとした、
その行為に感銘しました。
そして、
その3年生は卒部して行きました。
監督のその温かい思いを体中にしみ込ませて。。
残された監督は笑いながら一言おっしゃいました。
また『業(ぎょう)』の始まりです。
6.公立高校への恩返し
そういえば小枝監督は、
こんなこともおっしゃっていました。
公立高校には恩があります。
拓大紅陵の野球部創設時、
試合相手がいないときに、
公立高校さんに試合相手になっていただいた。
だから、
今でも公立高校さんからの試合の申し出には快く受けています。
そういえば、
こんなことがありました。
私が公立高校との練習試合をお願いしたときです。
「監督、
東京都立高校の野球部が千葉に遠征に来ます」
「その遠征時の試合相手を探しているのですが、
拓大紅陵と組ませてもらえませんか」
と、小枝監督の携帯に電話をいれたときは、
監督は甲子園大会の真っ最中で、
テレビ解説のため大阪にいました。
「ああいいですよ」
「澤村先生(部長、当時)に言っておくよ」
と二つ返事で、練習試合が実現したのです。
嬉しかったですね。
もちろん、
相手の都立高校の監督さんも大喜びです。
あのときは感動しました。
天下の拓大紅陵の監督さんが
練習試合の相手をしてくれたのです。
しかも、
ためになる話もしてくれました。
教育者と呼ぶにふさわしい監督さんです。
7.まとめ
どうでしたか。
小枝監督の魅力がお分かりになったでしょうか。
小枝監督との15年間。
ときには、
カメラのファインダーをとおして、
ときには、
じかにお話をさせていただいたりと、
多くのことを学ばせていただきました。
今でも監督の前では緊張します。
背筋が伸びます。
このブログも正座しながら書いています。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
8.読者の声(追加記事)
熱心な読者からコメントをいただきました。
ありがとうございます。
『裏でのドラマですね!
昔の鬼監督やスパルタ教育は、はやらない。
人として成長出来るように、
心を込めている小枝監督、
素晴らしい方ですね!
負けた立場まで教えられるなんてすごい方。
パソコンの前で正座していらっしゃる姿が(笑)
監督の力。 すごい!』
9.アクセスが30倍に! 2018年12月2日 追記
本記事のおかげで、
拙作ブログのアクセス数が30倍になりました。
従来:10件前後/日
↓
今回:約300件/日
ありがとうございます。
励みになります。
これからも精進して参ります。
【関連記事】
※更新履歴※
【更新】2019年112月25日、2020年1月4日、2月2日、3月29日、8月7日、2021年3月12日、2022年4月21日
少し校正させていただきました。
【更新】2019年9月10日
CMリンク追加。
【更新】2019年8月5日
【関連記事】を追加しました。
その他、一部加筆修正しました。
※CMリンク※
【侍ジャパンU-18代表出場!】第12回 BFA U-18 アジア野球選手権 ファイナルラウンド 3位決定戦 日本 vs. 中国(2018/09/10 KIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎)
野球応援のための吹奏楽指導シリーズ③拓大紅陵高校吹奏楽部にみるオリジナル野球応援曲~8小節で選手を鼓舞する応援曲づくり~[吹奏楽 M90-S 全1巻]
拓大紅陵 ユニフォーム型キーホルダー 高校野球甲子園背番号入
燃えろ!紅陵(拓大紅陵)
心が熱くなる! 高校野球100の言葉 (知的生きかた文庫) [ 田尻 賢誉 ]